57歳「キング・カズ」の情熱は衰え知らず 2季ぶり復帰の日本で追う終わりなき夢 鬼筆のスポ魂
■「いつかはW杯に…」
「心の中にいまだ消えない夢があるから、頑張れるのだと思う」というサッカー関係者の言葉もある。カズは日本がワールドカップ(W杯)に初出場した98年フランス大会の代表候補25人に選ばれ、スイス合宿に参加したが、最終的に本大会の出場メンバーから外された。夢舞台への出場がかなわなかったカズは、髪を金髪に染めあげて帰国するや「日本代表としての誇り、魂みたいなものは向こうに置いてきた」と激白した。長いサッカー人生でW杯には一度も出場していない。「いつかは日本代表としてW杯に出たい」と口癖のように話していたことは周囲の人間なら誰もが知っている。きっと今でも同じ志なのだろう。
いくら年齢を重ねていても心の中に夢がある、揺るぎない目標のある人は青春なのだ…と聞いたことがある。三浦知良を見て、同世代の人間は自らを省みる。自分の目標は、自分の夢は…と。
カズのサッカー人生のゴールは、まだまだ遠い先だと思う。そう思いたいのはなぜだろうか。
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【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て特別客員記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。