食品値上げ75%が許容 「1割高」が最多に 内閣府調査
内閣府は26日、食料・農業・農村の役割に関する世論調査を公表した。食品価格の値上げについて聞いたところ、許容できるとした人が7割を超え、75・5%に上った。一方、受け入れられる値上げ幅は1割高までとした人が37・5%で最多だった。一定の値上げを許容する人が多数を占める傾向が浮かび、改めて価格転嫁の実現に向けた国の議論の加速が課題となる。 調査は2023年9月14日~10月22日に、全国18歳以上5000人を対象に実施した。有効回収数は2875人。今国会での食料・農業・農村基本法の見直しに合わせ、施策の具体化に生かすため行った。 食品価格で何割までの値上げであれば許容できるかという問いでは、1~2割高までが29・8%、2~3割高が6・1%、3割高超が2・2%となった。「許容できない」は23・7%だった。ただ、ここ2年の食品価格高騰への対応では、「価格の安いものに切り替えた」が59・5%と最も多くなり、生活の実情とのギャップも明らかになった。 農産物価格を巡っては、生産資材の高止まりを受け、農水省が適正な価格形成の仕組み作りを検討している。実現に向けては、消費者の理解醸成が課題となっている。 75・5%が値上げを許容できるとしたことに同省は「高い数字」(大臣官房)と評価。一方、物価高騰下で安い食品に替えた人が6割いたことも踏まえ、「(高くても)選択してもらえる情報や背景を、国としても生産者としても、伝える、見えるようにしていくのが大事だ」(同)とした。(本田恵梨)
日本農業新聞