江戸時代からの山車が名古屋のビル群を巡行 伝統の若宮まつり本祭
名古屋市中区で16日に若宮まつりの本祭が行われました。栄にある神社を出発した山車がビル群のなかを練り歩く様子を密着しました。 午前9時ごろ、若宮八幡社の境内には社殿に向かって山車が構えられ、祭りに向けて準備する人たちが行きかっていました。 若宮八幡社は地下鉄矢場町駅からすぐの場所で、名古屋パルコと白川公園の間にあり、江戸時代から名古屋の移り変わりを見守ってきました。 若宮まつりは江戸時代から350年続く伝統の祭りで、毎年5月15日の宵祭と16日の本祭の2日間行われ、本祭では約2キロ先の那古野神社(中区丸の内)まで山車を引いて往復します。名古屋市の指定文化財になっています。
山車は「福禄寿車」という名称で1676年に作られ、重さは推定4トンで高さは6メートルです。山車の上には七福神の1体「福禄寿」を筆頭に4体のからくり人形があり、巡行の所々で人形の操演が披露されます。 からくり人形を操る1人、山本晃大さん(36)は「一生懸命操るので多くの人に楽しんでほしい」と意気込んでいました。若宮まつりに参加して今年で18年目の会社員で、有休を使って三重県四日市市から駆け付けました。山車の巡行には、山本さんのように「祭り好き」という理由で集まった、地元以外の人たちが多く関わっています。
いよいよ山車が出発
そうした若宮まつりで、祭りの関係者たちが一番気をもむのが天気です。雨が強く降れば山車の巡行は中止となります。 16日の朝方は小雨がぱらついていました。40年ほど祭りに携わってきた水口敏夫さん(70)は「雨雲レーダーをよく見てやっていく」と気を引き締めます。若宮まつりの2日間のうち、どちらか1日が雨に見舞われることが多かったという過去の経験からです。
人だかりを抜け山車は大通りへ
午後0時40分ごろ、人だかりを抜けて山車が若宮大通に出ました。巡行の始まりです。 綱頭と呼ばれるリーダーが指揮し、100人ほどが列をつくって名古屋高速の高架下を抜けて大須につながる裏門前町通へと入っていきます。