「『進め! 電波少年』から着想を得た」...J・ジョンソンが語るHulu『セルフ・リライアンス』
リアリティー番組の大ファンを公言する俳優ジェイク・ジョンソン。「美しい映画」の脚本・監督を手がけた
リアリティー番組がドラマを駆逐し、テレビの主流になってから久しい。いったい、あれで世の中はどう変わってしまったのか? 『セルフ・リライアンス』予告編を見る この疑問に答えようとしたのがアメリカの俳優ジェイク・ジョンソン。動画配信サイト「Hulu」に提供した新作映画『セルフ・リライアンス』(今年1月から配信中)で、ジョンソンは脚本・監督を手がけ、生きるか死ぬかのリアリティー番組に巻き込まれる男トミーを演じている。 「私の頭の中や感情、思いが垣間見られると思う。ほら、(テーマパークの)アトラクションに乗るような感じさ。あれって、怖いけど、でも楽しいじゃないか」 リアリティー番組の大ファンであるジョンソンは、それが自分のようなクリエーターの仕事に与えてきた影響を実感している。 「ストーリー展開が速くなり、登場人物がどんどん躁状態になり、リアリティー番組のペースで物語が動く。そういう影響だね。私もその一部になっている」 リアリティー番組のファンであるかどうかに関係なく、この映画は今日の人生に対する究極のメッセージだ。「映画を見てハイになったり、映画ファンでなくリアリティー番組のファンだったとしても、いい意味で何か美しいものが見られるはず」と言うジョンソンに、本誌H・アラン・スコットが聞いた。 ◇ ◇ ◇ ──『セルフ・リライアンス』の着想はどこから? 数十年前に放送された日本のリアリティー番組『進め! 電波少年』から。あれは当時から、既に一線を画していた。われわれは今、一軒家に10人が入居し、勝者は1億ドルを獲得するが1人は死ぬ、くらいのリアリティー番組にどんどん近づいている。誰もが見るだろうし、厄介なことに、私も見てしまうだろう。 ──新型コロナのパンデミックの影響もあった? あの頃は全てが終わると思っていた。それでも生産的でありたくて、1日に数時間は仕事をしていた。仕事がなくなったら終わりだと思っていた時期に、この映画の脚本を練り直したんだ。自分が作りたい作品だったから。 ──つまり、どんな映画? 美しい映画。くだらないリアリティー番組の話だと言いふらしてるけど、まあ自虐的な冗談さ。作品はゴージャスだし、底なしの躁状態みたいなエネルギーがあって、本当に素晴らしい人たちとコラボレーションができた。 ──お悩み相談のポッドキャストもやってますね? 面白いけどリアルな相談というのが前提。相談者の気持ちを深掘りするのではなく、くすっと笑えるような助言を心がけているよ。 H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)