高石あかり、来秋朝ドラ『ばけばけ』ヒロイン決定 和装会見に意図「まだ何者でもない」
俳優の高石あかり(21、※高=はしごだか)が、来秋スタートのNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインを演じることが決まり、29日に大阪市内の同局で、脚本のふじきみつ彦氏、制作統括の橋爪國臣氏とともに会見を行った。 【写真】会見で号泣…朝ドラヒロイン決定を喜ぶ高石あかり 『ばけばけ』は、連続テレビ小説第113作目となり、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』『デザイナー渋井直人の休日』『きょうの猫村さん』をはじめ、演劇ユニット「切実」、舞台「muro式」などを手がけてきたふじき氏が、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・小泉セツさんをモデルにフィクションとして書き下ろす。 2892人が参加したオーディションを経てヒロイン・松野トキ役を射止めた高石は、白の着物姿に身を包んだ。艶やかな魅力を振りまきつつ、和装の意図について「『ばけばけ』の時代が明治ということで着物を着させていただいた」と説明した。 生地にはハナミズキと忘れな草があしらわれ、ここに高石の並々ならぬ思いが込められていた。忘れな草について「私のことを忘れないでという花言葉」と紹介し、「何者でもない自分が、こうして今ここに立って覚えていただけるようにという気持ち」と吐露。そして、ハナミズキの花言葉は「感謝と返礼」で、「いろんな方に支えられて私は生きてきているので、この場で少しでも感謝の気持ちを返せたらという気持ち」と言葉をつむいだ。 ふじき氏は、オーディションについて「(明治に)本当にこういう感じで、こんな会話をしてたんじゃないかなと錯覚するぐらい」と絶賛。その上で、「高石さんのまんまやっていただきたい。高石さんの演じるトキを見てみたいと思って選んだ。我々もですけど、どんどん成長という意味での“ばけ”が見れたらうれしい」とエール。 高石は「私はまだ何者でもない人間」と再度表現し、「自分らしくいることで、いろんな学びだったり、人との出会いで、“ばけ”ていく姿を皆さんにお届けしたい」とまっすぐ語った。 ■『ばけばけ』 明治時代の松江。松野トキ(まつの・とき)は、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子。松野家は上級士族の家系だが、武士の時代が終わり、父が事業に乗り出すものの失敗し、とても貧しい暮らし。世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごす 極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込む。松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事です。外国人が珍しい時代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、トキは女中になることを決意。その外国人教師はギリシャ出身のアイルランド人。小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いたのだった。 トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされる。ところが、互いの境遇が似ていることに気が付き、だんだんと心が通じるようになる。しかも、2人とも怪談話が好きだった。 へんてこな人々に囲まれ、へんてこな2人が、夜な夜な怪談話を語り合うへんてこな暮らしが始まる。