アメリカの「民主主義」に危機…トランプ氏、大統領選圧勝も「事実を事実と認めない」国民が増加 分断を招く“フィルターバブル”の影響も
■分断が進むアメリカ社会
鈴木氏は、今回の大統領選において、共和党支持者と民主党支持者が結果はどうであれ、事実を受けられているか否かに着目した。「問題になるのは、民主主義という制度とか理念ではなく、おそらくその事実を受け入れるか受け入れないか。トランプは(前回の大統領選で)不正があったとウソをつき、そのウソをトランプ支持者がみんな信じて、1月6日の暴動が起きた」と、過去に起きた大騒動を振り返った。 また、「おそらくアメリカにおいて、みんなが『自分が正しい』と思っている。民主党支持者であれば、自分たちが正しいまさに民主党バージョンの民主主義があってもいいが、これが正しい、他が間違っているという前提に立っている。共和党は共和党で、トランプが言っていることが正しい、向こうはウソとなってしまうと、お互いの接点がなくなり、対立しか生まない。本当の民主主義は、相手が勝ったことを認める寛容さだ」と、自身が信じるもの以外を認めないことが、分断を生み続けていると述べた。 コラムニストの河崎環氏は、フィルターバブルやアルゴリズムというITカルチャーを生んだところこそアメリカだと述べた。「ITのカルチャー、SNSのカルチャー、発信と受信のカルチャーはアメリカという大国から出てきた。その中で民主主義を本来、実行すべき人民の側に、変化がすごく大きく現れた。この人たちに、ちゃんと情報を与えたら正しく多数決で物事を決めるだろうと思われていたが、現代の人民というものは、全く質が違っている。これはアメリカの民主主義の敗北で、アメリカがもう民主主義を扱うことができなくなってしまったのでは」と、情報を受け取る国民側が、民主主義に則って行動を起こすことが難しくなっていると語っていた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部