工芸品の材料・ヤマザクラの樹皮が盗難 所有者「憤りしかない」と怒りあらわ 岩手・軽米町の山中
岩手めんこいテレビ
9月13日、岩手県軽米町の山の中で工芸品などに使われることで知られるヤマザクラの木の皮が剥ぎ取られて盗まれる被害が見つかりました。 山を所有する男性は「憤りしかない」と怒りをあらわにしています。 内記和人記者 「こちらが被害があった山です。周辺は車や人通りがすくない場所です」 軽米町小軽米にある山には、木の皮が剥ぎ取られたヤマザクラが横たわっています。 山の所有者 安藤賢さん(46) 「これですね、これ。(切れ目を)ズバーっと入れて、へらのようなもので起こして剥いでいく。まだまだ大きくなる木だった。憤りしかない」 山の所有者で近くに住む安藤賢さん。 9月13日に山で栗拾いをしていた安藤さんの家族が被害を発見しました。 これまで確認できただけでも約30本から無断で皮が剥ぎ取られ、そのうちの半分ほどは切り倒されていたといいます。 被害を受けた安藤賢さん 「白っぽいピンク色の花が咲く。『春だな うちのサクラも咲いたな』みたいな感じでいつも見ていた」 工芸品になどに使われることで知られるヤマザクラの樹皮。 身近なものではお茶の葉を入れる茶筒にも使われることで知られています。 こうしたことから安藤さんは何者かがヤマザクラの樹皮の転売を目的に盗んだとみています。 自身もヤマザクラの木で工芸品を作っている安藤さんは、「材料は正しいルートで手に入れるべき」との思いから今回の取材を受けたと話します。 被害を受けた安藤賢さん 「素晴らしい工芸品は(材料が)合法的に採取されたのか、考えていくきっかけになったらいいなと思います」 安藤さんは、こうした被害を受ける人がいなくなってほしいとの思いから、その日のうちに警察に被害を通報したということです。 県内ではこれまでにも、たびたびヤマザクラの樹皮が剥ぎ取られる被害が発生しています。 ヤマザクラの樹皮を使った製品が必ずしも盗まれたもので作られたわけではないですが、こうした被害がこれ以上起こらないことを強く願います。
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