ルイス・ハミルトン

　FIAは、猛暑時にF1ドライバーをサポートする、簡易空調システムをテストする計画を進めているが、ルイス・ハミルトン（メルセデス）はよくトレーニングしているドライバーであればそんなものはいらないと考えている。 【動画】ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年の公開を前にティザー映像が先行配信 　motorsport.comがハンガリーGPの週末に報じたように、FIAは昨年のカタールGPで複数のドライバーが体調不良を訴えたことを受けて、ドライバーのサポートになるよう開発した装置を試験的に導入する予定だ。 　最初のテストはザントフールトでサマーブレイク明けに開催されるオランダGPで行なわれ、フリー走行で1台のマシンにこれを搭載。その後のレースでさらなる実証実験が予定されている。 　このシステムがうまく機能すれば、FIAは設計の詳細をオープンにし、F1チームが独自バージョンを製造し、セッションのコンディションが特定の（今のところ未定だが）温度しきい値に達したときだけマシンに装着できるようにする予定だという。 　ハミルトンはハンガリーGP後の記者会見で、この件について質問された。 　マクラーレン勢に次ぐ3位でレースを終えたハミルトンは、会見場に手持ちの扇風機を持ち込んでいたが、簡易空調システムはF1には必要ないと語った。 「そうだね。まず、僕はそれについて知らなかった」 「それに、そんなことは必要ない。これがF1だ。いつもこうなんだ。このコンディションでは厳しい」 「僕たちは高給取りのアスリートだ。この暑さに耐えられるように、必死にトレーニングしなければならない」 「タフだよ。特にカタールやシンガポールのような場所に行くのは簡単ではない。でも、クルマにエアコンユニットは必要ないと思う」 　FIAのエアコン構想は、昨年カタールGPで起きたような自体の再発を防ぐというFIAの約束の一環として開発されたものだ。 　この時は、夜間のセッションでも気温31度を下回らず。ドライバーに厳しいコースレイアウトだったこともあり、ウイリアムズのローガン・サージェントは熱中症でリタイア。アルピーヌのエステバン・オコンがヘルメットの中で嘔吐、アストンマーティンのランス・ストロールが一時気絶するなど、57周を走りきるまでに何人ものドライバーが体調不良に見舞われた。