“強行採決”できず“異例の国会”へ…自民・過半数割れで“譲歩”予算委員長は立憲へ
■“強い権限”野党に 今後の国会は
予算委員長とはどんな権限を持ち、今後どう影響するのでしょうか。 予算案の審議はもちろん、政権のスキャンダル追及の舞台ともなってきたのが予算委員会です。その重要な運営を取り仕切る予算委員長には強い権限が与えられています。 例えば、開会の日時や発言時間を決める権限、委員が規則に従わない場合などに発言を禁止したり退場を命じることができる権限。そして表決に付する、つまり採決ができる権限などです。 政治部官邸キャップ 千々岩森生記者 「特に重要なのが日程を決め、採決を行うこと。委員長が与党なら審議の主導権を握り、場合によっては“強行採決”もできた。ただ、委員長が野党になれば、与党の“思い通り”の採決はできなくなる」 政治部官邸キャップ 千々岩森生記者 「もう一つ重要なのは、答弁者を指名できること。質問者が総理に答弁を求めても、他の閣僚や官僚を指名して総理を“守る”ことができた。ただ、委員長が野党になれば、そうした手段は取れず、総理をターゲットにした質問が延々と続く可能性もある」 強い権限を持つポストを野党に明け渡すことになると、今後の国会運営にも影響は出てきそうです。 今後のスケジュールを見てみると、政府与党は臨時国会で補正予算案の審議をして、年内成立を目指す考えです。そして、年明けからは来年度予算の審議も始まります。 政治部官邸キャップ 千々岩森生記者 「与党側は今後、野党側の要求もくみながら国会運営にあたる必要が出てくる。事前に与野党が協議し双方が納得する予算を編成するか、審議の中で野党の要求をくんで修正・成立させるしかなく“異例の国会”となるのでは」
テレビ朝日