井上尚弥に1階級上のフェザー級王者たちから続々ラブコール 来年にも5階級制覇&3階級4団体統一に挑戦開始か
世界4団体スーパーバンタム級(55・34キロ以下)統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が6日(日本時間7日)、米ニューヨークで行われた全米ボクシング記者協会(BWAA)の夕食会に出席した。会の中で昨年の最優秀選手賞「シュガー・レイ・ロビンソン賞」授与式が行われ、1938年から表彰が始まった同賞を86年で日本人として初めて受賞した。現在、1階級上のフェザー級(57・15キロ以下)の選手たちから対戦を熱望されている日本のモンスターは、早ければ来年にも昇級予定であることを改めて示した。 BWAAのサントリキート会長から栄誉ある盾、老舗専門メディア「ザ・リング」のフィッシャー編集長からベルトを受け取り、笑顔を浮かべた。尚弥は短く英語であいさつ後、日本語でスピーチ。「23年は自分にとって最も大きなチャレンジの年でした。皆さんに評価していただき、すごくうれしく思います」と感謝した。 1938年、ヘビー級の伝説的王者ジャック・デンプシーから始まり、ムハマド・アリ、マイク・タイソン(いずれも米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)ら、偉大な受賞者たちの中に日本人として初めて名を連ねた。昨年7月のスティーブン・フルトン(米国)戦と同12月のマーロン・タパレス(フィリピン)戦。史上最速の2階級4団体統一がボクシングの本場でも高く評価された結果だ。 今年に入っても勢いは止まらない。5月にボクシングでは34年ぶりに東京ドームでの興行で日本人初のメインを張り、ルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ち。4万3000人のファンを熱狂させた。次戦は9月に都内で開催予定だ。対戦相手はWBO2位TJ・ドヘニー(37)=アイルランド=が最有力候補だが、1階級上のフェザー級の選手たちからも続々とラブコールが届いている。 WBAは6日、公式SNSで元世界3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)との会話を動画でアップ。昇級について尚弥は「あと1年とか」と返答。来年には日本人初の5階級制覇、世界初の3階級4団体統一への新たな挑戦が始まる可能性を示唆した。 日本の至宝は米国でも人気、知名度は高まっており、会場ではサイン、写真撮影を求める関係者の姿が見られた。尚弥は「ニューヨークに来たかいがあった。待ち望まれているんだなと感じました」と笑顔で話した。7日(同8日)には大リーグのヤンキース―ドジャースを観戦予定。野球界の至宝・大谷翔平(29)との公の場では18年12月以来となる対面が注目される。 〇…フェザー級のIBF王者ロペス(メキシコ)、WBA王者ボールがすでに尚弥との対戦希望を表明している。3団体で世界ランク入りするキャリントンも「(対戦が)実現できたなら天国のような試合になるだろう。彼の欠点もわかっている」と豪語。8日(日本時間9日)には、この若手ホープがマディソン・スクエア・ガーデンで行う試合を尚弥が生観戦する予定となっている。
報知新聞社