【ビジネスの極意】『ONE PIECE』のガープ中将から学ぶ部下育成術|若手を育てるうえでの心構えとは
国民的漫画ともいえる『ONE PIECE』。そんな漫画の世界からもビジネスにおける学びがある、とマネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」は説きます。『ONE PIECE』のキャラクター、ガープ中将から人材育成について学びましょう。 * * * 連載25周年を超え、最終章が盛り上がりを見せる大人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』。綿密に練られたストーリーはもちろん、作中に登場するさまざまなキャラクターも魅力です。なかでも、今回紹介する「ガープ中将」は、ビジネスにも活かせる「部下育成」の考え方を変えてくれるほどの魅力をもっています。 本記事では、ガープ中将から学ぶ部下育成の考え方に触れながら、部下育成における基本やポイントを解説していきます。
ONE PIECEのガープ中将とは?
ガープ中将とは、ONE PIECEの主人公「モンキー・D・ルフィ」の祖父で、本名は「モンキー・D・ガープ」。 主人公のルフィが海賊であるのに対し、ガープは海賊の敵対戦力である海軍に所属する海兵です。ガープは海軍の中で「中将」の地位を得ており、これは最高戦力といわれる「大将」の次に位置します。なぜ、大将ではなく中将の地位に落ち着いているのか、その疑問については後ほど解説していきましょう。 ガープは一見するとおちゃらけた普通のおじいちゃんという印象ですが、孫のルフィと相対した際に攻撃をためらったり、ルフィの義兄弟であるエースが窮地に立たされた際に涙したりと、情に熱い面があるのも特徴です。 2023年8月時点で少年ジャンプ本誌にて連載されている最終章では、かつての部下であった元海軍大将「青キジ」と交戦し敗北。これからの世界を担う若い世代の成長を見届けながら、笑顔で散っていきました。
ガープ中将が実施した部下育成
ガープ中将は「若手を育てること」を大切にした海兵です。ここでは、ガープ中将がこれまでに実施した部下育成や、その結果について紐解きます。 ◆新たな価値観をもつ新世代の人材選出・育成 ガープはもともと、孫のルフィを自分と同じ海兵に育てようとしていました。また、ルフィを育てたように同じ海軍に所属する若手人材を選出し、一人前に育成しようとする描写が作中でみられます。 ガープは、海軍の支部で雑用を務めるコビーとヘルメッポに出会います。仲間思いのコビーや海軍としての決意を固めたヘルメッポを抱える支部に対し「この2人、わしが預かる」といい、海軍本部へと連れていきました。 海軍本部でガープの訓練を経たコビーとヘルメッポは、作中で目まぐるしい成長を見せてくれます。特に、コビーは全世界を巻き込む戦争を止めるきっかけになったり、海軍の英雄と呼ばれるようになったりと、ルフィと対象の位置にいながらも主人公のような活躍と成長が見て取れます。2023年8月時点で連載されている最終章でも、ガープの教えと自身の努力による力を覚醒させ、海軍や民衆の危機を救います。 これらの描写からガープには、素質を見抜き、トップクラスの実力を持つ人材へと成長させる「部下育成能力」があるといえるでしょう。 ◆育成に特化するための地位選択 ガープは最高戦力である大将と同様の実力・経験をもっています。しかし、「自由にやるならこれ以上の地位はいらん」と、あえて中将というポジションに落ち着き、後任を育てることを重視していました。 物語中盤の山場である頂上戦争編において海軍間での価値観の違いを感じ、実質的な辞職を選択するものの、肩書きはそのまま海軍へ残り、若い海兵の育成に力を入れるようになります。 先述した元海軍大将の「青キジ」も、過去にガープによる育成を受けた海兵の一人です。自身が育てた部下と戦うことになったガープは辛い表情を見せることなく、むしろ青キジの成長を喜ぶような印象でした。 地位にこだわらず、自身の育てた人材が組織内でのし上がっていく様を誰よりも喜ぶガープの姿は、部下育成を重視したキャリア形成を考える方にとって学ぶものが多いのではないでしょうか。