松坂、和田はソフトバンクに必要か?
今季に復活を賭ける2人のメジャー帰りの投手が、3年連続での日本一を狙うソフトバンクにいる。昨季、3年12億円(推定)の巨大契約で凱旋帰国するも、オープン戦で体調を崩し、8月に右肩にメスを入れ、1試合も投げないまま“隠れた不良債権”と揶揄された松坂大輔(35)と、メジャーから5年ぶりに3年12億円(推定)で古巣に復帰した和田毅(35)の2人だ。 だが、その立ち位置は微妙。その年俸の額と相反するが、座る場所が用意されているわけではない。 ソフトバンクをずっと見ている評論家の池田親興は、「必要とか不必要という議論ではなく、やってもらわねば困るし、やれるでしょうというのが、この2人でしょう。 まだキャンプ、オープン戦を見ていないので、松坂の回復状態も、和田の状況も、どの程度なのかがわからないので評価のしようがありませんが、現状のローテーションから言えば、武田、バンデンハーク、摂津、中田の4人は、よほどのことがない限り動かないでしょう。そうなると5番手、6番手の先発を寺原、大隣らと2人が争うことになります。 松坂は昔の松坂を追いかけているようでは駄目。新しいスタイルをどこまで確立できるかだと思います。和田は、元々力投派ではなかったので、肘や体が万全ならば、安定感に期待ができるのかもしれません。長いシーズンを考えるとピッチャーは多いほどいいのがセオリー。ピッチャーの起用は、構想通りにはなかなか運ばずに、どこかで歪が出てくるものです。ピッチャーを熟知する工藤監督は、そういう長期展望をうまく見ながら昨季は、シーズンを通じたピッチャーの起用に成功しました。 彼ら2人が加わったことでチーム内競争が激しくなり、さらに層に厚みが増したと思います。余裕のあるソフトバンクだからこそ、2人の復活チャンスが高まるんじゃないでしょうか」という意見だ。 昨季、投手陣は、リーグトップのチーム防御率、3.31を誇った。13勝6敗の武田翔太、シーズン途中から1軍昇格して9勝負け無しのバンデンハーク、10勝7敗の摂津正、9勝7敗の中田賢一の4人の先発陣には、安定感があった。不動の4人だ。 そうなると、池田氏が指摘するように、松坂と和田は、昨季、先発、中継ぎで存在感を示し、8勝3敗の寺原隼人、5勝4敗から復活を狙う大隣憲司、シリーズで、中継ぎとして光った千賀滉大らと先発5、6番手を争うことになる。退団したスタンリッジの10勝7敗の数字を埋めなければならないのは、この5、6番手集団であることは間違いない。そう考えると、松坂と和田の存在意義は小さくはない。