作間龍斗×山下美月なら間違いない? 『山田くんとLv999の恋をする』実写化成功の鍵は“声”
あの“山田くん”が映画となって、私たちのもとに帰ってくる。HiHi Jetsの作間龍斗と山下美月がダブル主演を務める映画『山田くんとLv999の恋をする』が、2025年3月28日より全国公開されることが決定した。 【写真】アニメ『山田くんとLv999の恋をする』 原作漫画『山田くんとLv999の恋をする』の人気は、各種受賞歴からも明らかだ。「ピッコマAWARD2024」マンガ部門での受賞に加え、めちゃコミック「第3回みんなの推し恋愛マンガ大賞」では大賞・書店員賞・キャラクター賞<少し離れて眺めていたい王子様部門>の3部門を受賞。LINEリサーチが実施した現役女子高生を対象とした調査では、「いま、ハマっているマンガ」ランキングで堂々の1位を獲得した。 また、2023年4月からのテレビアニメ放送では、原作の魅力を損なうことなく丁寧な作品作りが評価され、それを機にさらにファン層が拡大。作品に初めて触れるアニメファンからも「共感できる」「キャラクターの心理描写が秀逸」といった声が続々と上がり、SNS時代を象徴するラブストーリーとして確固たる地位を築いている。 しかし、こうした輝かしい実績を持つ人気作品だからこそ、実写化となると懸念の声が上がることも十分に予想できる。近年、漫画やアニメの実写化を巡っては様々な議論が交わされており、成功例がある一方で、原作ファンの期待を裏切る結果となってしまったケースも少なくない。 だが、本作の特報動画から伝わってきた要素の数々に、かなりの安心感を覚えたことも事実である。まずはやはり実写化のキャストだ。本作は山田のクールな王子さがすべての加減を握っていると言っても過言ではないのだが、作間の放つ凛とした佇まいと控えめな表情は、原作の持つ独特の空気感を自然と体現しており、画面越しにも確かな説得力を感じさせた。 そして、本作にとって最も重要な要素の一つが声である。本作はゲーム内でのやりとりも多く、画面のヴィジュアルがアバターでやり取りされるシーンも多いため、声の存在感は作品の重要な鍵を握ることになるからだ。 声といえば、アニメの山田役・内山昂輝の演技が、クールな山田ならではの“キュン”とするシーンを見事に表現し、“ハマり役”として絶賛されたことも記憶に新しい。同じ映像でもアニメから入った視聴者にとっては、そこから大きくイメージが逸れるものは受け入れ難い視聴者もいるだろう。しかし、特報で見せた作間の山田としての声のトーンや、あかねとの掛け合いでの温度差のある受け答えは、原作やアニメの雰囲気にかなり寄せた演技だと感じられた。あかね役の山下からも、素直で前向きな性格が自然と声に滲み出ており、ゲームの世界に飛び込んでいくヒロインらしい瑞々しい魅力が受け取れたのではないだろうか。 そして、キャストの演技と同じくらい信頼がおけると感じたのは、ゲーム内のアバターの描写である。本作の魅力は、オンラインゲーム「Forest Of Savior(FOS)」と現実世界を行き来する中で芽生えていく2人の絆だ。その中でも、特報映像に登場した山田の特徴的なアフロ能面のアバターは、原作の持つユーモアを損なうことなく、CGで見事に再現されていた。 漫画やアニメでは、その性質上「ゲームの中と外」の表現がアバターのヴィジュアルや等身を下げたタッチの切り替えに限られていたが、実写化ではこの境界線がより鮮明に描き分けられる可能性を感じさせた。本作の中心には茜と山田の恋模様が据えられているものの、茜がゲーム内外で出会う様々なプレイヤーたちとの心温まる交流も、作品の重要な見どころの一つとなっている。むしろ、現実とバーチャルの世界を行き来する本作の特徴は、実写版によってよりリアルな魅力を放つのかもしれない。実写版の山田は、私たちにどんな“Lv999の恋”を見せつけてくれるのだろうか。
すなくじら