郷土のアマ天文家・故羽根田利夫さん 彗星発見や生涯、劇で学ぶ 福島県南相馬市原町区
NPO法人南相馬サイエンスラボの「親子歴史文化たんけん教室」は8月31日、福島県南相馬市原町区の馬場公会堂で開かれた。羽根田・カンポス彗星(すいせい)の発見者で同区出身のアマチュア天文家、故羽根田利夫さんの功績や生涯について解説した。 地元の偉人を広く知ってもらおうと企画し、親子連れら約30人が参加した。同NPO法人の斎藤実理事長が彗星と惑星の違いなどを説明した後、演劇形式で羽根田さんを紹介した。参加者が羽根田さんはじめ当時の関係者の役になって、新彗星発見の様子や羽根田さんの生涯を演じた。 自作の天体望遠鏡で観測を長年続けてきた羽根田さんは、1978(昭和53)年9月1日夜に新彗星を見つけ、2日後の3日に東京天文台に電報で報告した。2日に南アフリカのホセ・カンポスさんからも同じ報告があったが、観測記録では羽根田さんが早かったことや、羽根田さんが当時68歳という高齢で、自作の望遠鏡での発見だったことが考慮され「羽根田・カンポス彗星」と名付けられた―という史実を、劇を通じて学んだ。
いわき市の夢のほしぞら配達の協力で、移動型プラネタリウムを設置。羽根田さんが彗星を見つけた当時の星空を再現し、郷土の偉人への思いをはせた。 (相双版)