「セパハン、キー付きタンク、一体式ハンドルロック」国産車で初採用のモデルは?【日本車はじめて物語・操作系の地道な進歩】
プッシュキャンセル式ウインカー:ヤマハ XJ750DII セパハン:ホンダ CBX<1000>
■プッシュキャンセル式ウインカー:ヤマハ XJ750DII(1983) 2輪車は最初ウインカーが装備されていなかったが、1964年以降、アメリカにおけるCHP(カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール)での規制などで義務付けられ、操作を忘れても150mまたは15秒で中立に戻るオート式が1976年のヤマハ製輸出仕様車に装備された。 そして現在主流のプッシュキャンセル式は、1983年にXJ750DIIが採用したが、一般的には1987年以降のモデルから普及した。ヤマハ車での採用が早いのは、創業時から採用してきたスイッチメーカーとの信頼関係からだという。なお。モーターサイクルで初めて前後ラジアルタイヤを装着したのも、同車が初だった。 ■ヤマハ XJ750DII主要諸元 エンジン:空冷4ストローク並列4気筒DOHC2バルブ ボア・ストローク65.0×56.4mm 総排気量748cc 性能:最高出力75ps/9500rpm 最大トルク6.3kgm/7500rpm 変速機:5段リターン 車重:231kg(乾燥) 発売当時価格:99万8000円 ■セパハン:ホンダ CBX<1000>(1978) 外国のGPマシンでは1953年以降にセパハン(左右グリップが分離したセパレートハンドル)が出てきたが、国産車では最初のクロードコースレースだった1957年の浅間火山レースのワークスマシンから採用。 市販車では1959年のホンダCR71が最初で、同時期デビューのヤマハYDSのキットパーツにもセパハンがあったが、上記2モデルはかなり特殊な存在のため、一般的な普及の最初とは言い難かった。 またその後、カミナリ族が公道で乗った低い改造セパハン車での事故が多く、過激な仕様と見なされて禁止になった。 それ以降で初の装着量産車は、アップタイプハンドル装備で1978年登場の輸出向けモデルCBX(1000)。また1982年発売の国内向けGSX750Sもアップタイプのセパハンだった。 ■ホンダ CBX(1000)主要諸元 エンジン:空冷4ストローク並列6気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク64.5×53.4mm 総排気量1047cc 性能:最高出力103ps/9000rpm 最大トルク8.5kgm/8000rpm 変速機:5段リターン 車重:249kg(乾燥) 発売当時価格:──(輸出車)