静岡銀行など全国9地銀、コンソーシアム設立 DX新興企業との橋渡し支援、地域企業の生産性向上へ
地域金融機関が核になって地域企業とデジタルトランスフォーメーション(DX)を強みとするスタートアップ(新興企業)の橋渡しに面的に取り組む新たな枠組み「地域課題解決DXコンソーシアム」が3日、発足した。日本の社会課題を解決するスタートアップへの投資・成長支援を行うベンチャーキャピタリストチーム「UB Ventures」(ユービー ベンチャーズ、東京都)が呼びかけ、静岡銀行など全国9地銀が発起人に加わった。 各地で高齢化、人口減少が進み、製造業や建設業、農業といった地域経済を支えてきた伝統的な「レガシー産業」の人手不足が深刻化している。こうした課題の解決に向け、スタートアップのノウハウを取引先企業などに提供し、デジタルツールや最新テクノロジーを活用した生産性の向上を図っていく。静岡銀は、第1次中期経営計画に掲げている「地域共創戦略」の一環として参画を決めた。 コンソーシアムは主に①各地域の産業の課題調査・分析②スタートアップのリスト化③DXの実装によって成功した企業の事例収集―に力を入れる。3カ月に一度開く定例会で、地域横断的に情報を共有する。 3日の都内での設立発表会でUBの岩沢脩代表取締役は「スタートアップと各地域企業の間には地理的にも、心理的にも大きな隔たりがあり、局所的な連携にとどまっているのが現実」と指摘。コンソーシアムを通じて「地域から人口減少社会のイノベーションを起こしていく」と強調した。 静岡銀の藤島秀幸執行役員経営企画部長は「まずはスタートアップと地域企業が知り合うきっかけ、ネットワークの構築が重要。県内GDPの持続的成長のためにも、企業の生産性が高まり、新しいビジネスが生まれる環境をつくらなければならない」と述べた。 静岡銀以外に参画している金融機関は次の通り。 鹿児島銀行、佐賀銀行、山陰合同銀行、四国銀行、常陽銀行、中国銀行、福岡銀行、山口銀行
静岡新聞社