中国の気球4機、中間線越える 国防部「地上に危害与えるなら対抗」/台湾
(台北中央社)国防部(国防省)は9日、中国の気球4機が8日に台湾海峡の暗黙のライン「中間線」を越え、台湾側の空域に入ったと発表した。うち2機が台湾本島上空を通過したとしている。同部の孫立方(そんりつほう)報道官は9日午前の定例会見で、気球が地上に重大な危害を与える場合、国軍は積極的に対抗すると語った。 国防部によると、気球は8日午前11時53分、午後1時58分、同7時36分、同8時24分にそれぞれ1機を探知。いずれも同1時7分、同4時、同10時24分、同9時23分に姿を消したという。 孫氏は、国軍は統合監視手段や航空機などを用いて気球の動向を把握していると説明。軍による対抗の重要な原則は中国側の意図を判断することであり、現在は結果を分析して関連の資料をまとめ、その意図と目的を見極めることだとした上で、有事とは判断しにくい手法で圧力を加える「グレーゾーン作戦」を使った認知戦だと語った。 また国軍が相手の望む対抗をした場合、相手の企みにはまってしまうと指摘。中国は非対称戦で国軍の準備体制をかき乱し、武器の消耗を図る目的を達成してしまうと危機感を示した。 (游凱翔/編集:齊藤啓介)