スパァァン! 飲み物を注ぐと払い落とす、うちの猫の困ったクセ。愛情あふれるドタバタ犬猫ライフ【書評】
疲れたりイライラしたとき、大型犬が我が子のように子猫を愛おしそうに可愛がる姿をSNSなどで見かけると心和まされることがある。違う種類の動物同士の仲睦まじい姿はなんとも微笑ましい。そんな微笑ましさを堪能できるのが、もともと犬を飼っていたところに突然猫を飼うことになったエピソードや2匹のやり取りを描いた『うちう猫と柴犬』(宮路ひま/KADOKAWA)だ。ブログで大人気となった『ドヤ顔柴犬どんぐり』シリーズの続編である。 【漫画】本編を読む
それぞれの動物が持つ特性を表現した「犬は人につき猫は家につく」といった言葉もあるが、性格はそれぞれで個性も豊か。個性豊かな犬と猫と共に暮らしたら、果たしてどんな生活が待ち受けているのか?
作者の宮路さんにとって2代目の柴犬となるおおらかな性格の「どんぐり」。ご両親と「どんぐり」との生活に、拾われてきた三毛猫の「たんぽぽ」が突如加わることとなった。 猫を飼うことがはじめての宮路一家にとって未知なる生物である「たんぽぽ」。しかし、未知なる生物というより未確認生物? まるで宇宙からやってきたのではないかと思わせる「たんぽぽ」の言動に、ついたあだ名が「うちう(宇宙)猫」だった。先住犬「どんぐり」と、うちう猫「たんぽぽ」との癒しと笑いの日々が描かれる。
子猫の瞳は成長によって色が変わったり、肉球を押すと爪が出てきたり、今まで犬しか飼ったことがなかった宮路一家と同じく猫を飼ったことがない人には発見がいっぱい! はじめての猫との生活で知る不思議行動は猫ならでは…と思いきや、拾われてきた三毛猫「たんぽぽ」は、どうにも話が通じないし、奇妙な動きをするし、背中の模様はチャックのようで、もしかしたら中には宇宙人が入っているのでは!? 思わずそんな疑惑の目で見てしまう家族の妄想にクスッと笑ってしまう。作中には拾った当初のエピソードもあり、保護猫の対応も学ぶことができる。
「どんぐり」と「たんぽぽ」の初対面から描かれる本作は、2匹のコミカルなやりとりとちょうどよい距離感が本当に姉妹のよう。