「消費税15%になるぞ」「緊縮ガチ勢」野田佳彦氏の立憲新代表選出に国民は警戒
9月23日、立憲民主党代表選の投開票がおこなわれ、野田佳彦元首相と枝野幸男前代表の上位2人による決選投票の結果、野田氏が新しい代表に選ばれた。現在の党代表の泉健太衆議院議員は3位、吉田晴美衆議院議員は4位だった。 【写真】「首相時代」の“天敵”を語る野田佳彦氏 野田氏は当選後の挨拶などで「本気で政権を取りに行く覚悟だ。皆の力を合わせ、打倒自民党に向かいたい」などと決意を表明した。しかし、野田氏には思い出したくないであろう“過去”がある。 首相在任時の2012年8月10日、自民党と公明党とともに可決した消費税の増税を含む社会保障と税の一体化改革関連法案で、2014年から段階的に消費税率を5%から10%へ引き上げる判断を下し、それは党内に分裂を引き起こした。そして、来る解散総選挙でも、民主党は惨敗したのだった。 こうした経緯があるため、Xには、 《野田佳彦!俺は忘れていない 消費税増税を推進したことを。国民は絶対忘れてはいけない。こんなのに政権任せたらあっという間に消費税15%になるぞ》 《内閣総理大臣時代に自民党と組んで、消費税増税を推進した野田元首相が立憲民主党の新代表になったのか。立憲民主党が完全に「第二自民党」と化して、自民党と一緒に増税を推進して日本国民を苦しめていくのが目に見えている》 《野田佳彦代表。人格的にはいい人なんだろうけど、この人は緊縮ガチ勢で消費税を決めたのもこの人なので全く支持できない》 と、増税を警戒する声がすでにみられている。政治担当記者はこう話す。 「民主党が政権奪取した、2009年8月の衆議院選挙で、消費税の増税を公約として掲げていないにもかかわらず、野田氏は消費税の増税へ走りました。 結果、反対派の小沢一郎氏らが集団で離党するなど、民主党の分裂を招いた張本人が野田氏なのです。そして、こうした野田氏の判断ミスなどによって2012年12月の衆院選で民主党は大敗し、政権を明け渡すことになりました。 ですから、過去の行動から野田氏はまた増税するのではないかと国民だけでなく、同じ野党からも不安視する声が出ても無理もないでしょう」 すでに、身内の立憲民主党の現職議員からも野田氏を批判する声が上がっていた。 立憲民主党の川内博史衆院議員は、代表選前の9月23日午前、自身のXにこうポストした。 《立憲民主党代表選出党大会の朝。ぼくは、現泉代表の推薦人なので、泉代表に投票する。消費税停止、廃止、減税(勿論インボイスは廃止)の議論を約束してくれたからだ。決選投票になった場合、野田氏以外の候補者に投票する。彼から民主党政権崩壊の総括を聞いたことがない》 しかし、野田氏が代表に返り咲いた。前出の記者は民主党の“人材不足”を指摘する。 「たしかに消費税増税や解散時期など、野田さんの判断ミスで当時の民主党は多くの仲間を失ったわけで、そのことを根に持っている人たちはいます。しかし、政権交代を目指すならば、代表は首相経験者である野田氏の一択しかなかったのではないでしょうか。 消費税に関しても、野田氏は出馬会見で『この時期に安易な減税をするのではなく、現状を維持するのが基本だと思っている』と話していましたから、さすがに15%への増税は今は考えていないと思いますが……」 “昔の人”を再び代表に選んだ党は、“刷新感”を狙う自民党とどう対峙するのか――。