大鰐線沿線首長「苦渋の決断尊重」 事実上の廃線方針受け 代替手段、地域経済への懸念も
27日に明らかとなった弘南鉄道大鰐線の事実上の廃線方針に、沿線自治体の首長は「苦渋の決断を尊重したい」と理解を示す一方で、代替手段の確保や地域経済への影響に対する懸念を口にした。 大鰐線の維持に前向きだった弘前市の桜田宏市長は「現実として受け止めないといけない」と厳しい表情。「地域の交通弱者を守るため、大鰐線を維持するのが一番負担が少ないと考えてきた。バス代行という意見もあるが、バス運転手も不足している。今後については、国も含めて関係者に相談させていただきたい」と話した。 大鰐町の山田年伸町長は「温泉客やスキー客で弘南鉄道を利用する方がいる。地域経済に大きな影響を及ぼすことが懸念される」とした。その上で「利用者の減少、昨年の脱線を契機とした施設の整備、人材確保(の難しさ)を踏まえると、(路線維持が)経済的に成り立たないという現状もある」と理解も示した。 弘南線への注力を訴えてきた黒石市の髙樋憲市長は「企業の存続にこそ一番力を入れるべき。もっと早く決断すべきだったとは思うが、熟慮の上の判断なので尊重したい」と語った。今後については「引き続き官民一体で公共交通を守るため知恵を出していきたい」とした。 宮下宗一郎知事は「県としては、大鰐線利用者の交通手段確保を第一義に、引き続き沿線市町村と連携していく」とのコメントを出した。