w.o.d.『I SEE LOVE Tour』 会場のボルテージは最高潮に!The BONEZをゲストに迎えた対バン編FINALをレポート
転換の時間を挟み、19時4分。SE のVanilla Fudge「Ticket to Ride」が会場に流れ、サイトウタクヤ(vo/g)、Ken Mackay(b)、中島元良(ds)の3人がステージに登場。大きな拍手と声援の中、迎え入れられた。ゆったりと楽器を手にし、中央で3人が向かい合い息を合わせ正面を向くと、ドラムの1,2,3というカウントとともに、メジャー1作目のアルバム『あい』の冒頭を飾る「My Generation」でライブが幕を開けた。中野雅之(THE SPELLBOUND、BOOM BOOM SATELLITES)を外部プロデューサーに迎え制作された、w.o.d.の新たな扉を開いた楽曲だ。リバーブがかったボーカルと照明に、深い霧に包まれたような雰囲気に誘われる。それを一気に振り払うようなサビの開放感が、さらに心地いい。サイトウのしゃがれるようなスモーキーなシャウトはセクシーだ。 続いて、インパクトの強いベースのバッキングで幕を開ける「イカロス」へ。3ピースのミニマムな編成ながらも、その音圧とグルーヴが圧倒的なエネルギーを生み出す。観客たちも手を上げて声を出し、彼らの演奏に応える。ミドルテンポでどこかグランジ的な要素も感じる「lala」では、間奏で3人の演奏のアンサンブルが爆発。一心不乱にそれぞれが楽器をかき鳴らす。再び3人が向かい合い集中すると、w.o.d.を代表する曲のひとつ「1994」へ。バンドの素晴らしさを体現したような、ストレートでフレッシュなガレージロックに、客席ではダイブも起こり盛り上がりを見せた。 ドラムの中島元良が、「The BONEZ、ありがとう!」と感謝を述べると、サイトウは「ライブハウスって世界一自由な場所やけど、だからこそ助け合って、違いを尊重しあって楽しんでいけたら最高だと思います。遊ぼうぜ!」と語り、跳ねるドラムのビートの「Take It Easy」へ。観客たちはゆったりとサウンドに乗りながら、気持ちを高揚させていく。軽快なドラムとともに奏でられるロックンロール曲「馬鹿と虎馬」では、途中一瞬のインターバルを置き、緊張感を生むような空白の時間を経て再びアンサンブルを爆発させた。ギターリフに歓声が起こる。続く楽曲は、「あばく」だ。腹に響くようなベースの低音、タイトに刻むビート、それらを切り裂くようなシャウト。サイトウがギターを持ち替えると、ギターの弾き語りから「喜劇」へ。ベース、ドラムが加わったときのエネルギーの放出は圧倒的だ。 「バンドとか、ミュージシャンとか、アーティストとか、それ以外もそうやと思うけど、特に変わりたくないと思ってやっているというか。ちゃんと自分が何者で、自分がブレないように、しっかり持つみたいなものが、活動する上で、曲を作る上で、ライブする上でもめちゃ大事なことやと思って。根本はそれやと思う。でも、不思議とやっていると、いい影響も悪い影響も受けて、変わっていったりしちゃう。対バンツアーをいろいろやって気づいたのは、俺らは俺らのままでいいんやなってこと。俺も俺のままでいいし、みんなもみんなのままでいいと思うので、自由に音楽で遊べたらなと思っています。地元から出るとき、すごく不安になりながら作った曲をやります。」 サイトウがMCで、ゆっくりと一言一言言葉を紡ぐと「サニー」へ。楽器のアンサンブル以上に、言葉がストレートに伝わってくるミドルテンポのロック曲に、観客たちはじっくりと聞き入った。サイトウが「ありがとう」と感謝を述べ「夏の曲をやります」と「陽炎」へ。ギターバッキングが心地よく響く。一息つき、ギターの弾き語りとともに「あなたの犬になる」へ。バラードロック的な趣の楽曲をしっとりと、そして感情を込めて歌った。Ken Mackayと中島元良のリズム隊のグルーヴがサイトウの歌を力強く支え、楽曲が終わると惜しみない拍手が送られた。