非売品という常識を打ち破る熱海市刊行の「熱海温泉誌」、市は増刷も予定
その内容は、中世まで遡って熱海の歴史を検証し、時代ごとにその歴史を理解することができる構成になっている。また、「米軍占領期の温泉地と熱海」といった従来ない切り口のテーマや、「熱海の旅館経営を支えた女性たち」など女性にスポットを当てたテーマも。写真や絵がふんだに使われており、ボストン美術館など海外の美術館や博物館が所蔵する貴重な写真や絵画も散りばめられている。 実行委員会副委員長で一橋大学大学院専任講師の高柳友彦氏は熱海温泉誌の人気について「震災以降の傾向として地域の歴史に対する関心が高まっている。地域史のニーズの高まりの中で、熱海の歴史を掘り起こしたことが注目されたのではないか」と分析。内田氏は「思ったよりも熱海は奥が深いと実感した。流行を追うだけではない、地に足のついた熱海の魅力を知って欲しい。熱海温泉誌は今後の熱海の街づくりの指針になると思う」と話している。 A4版、384項。3000円(税別)。熱海市が発行し、出版文化社が発売。全国の書店のほかアマゾンなどでネット販売している。