東大や海外名門大の合格者激増…!女子校から共学化の注目3校「渋谷学園渋谷&広尾」急成長の特殊事情
東大、早大の合格者が急増
0→2、2→44 0→9、0→129 2→43、35→136 上に記したのは、急成長する都内私立3校の20年前(’04年)と今年の合格実績の比較だ。左が東京大学で右が早稲田大学。いずれも激増していることがわかるだろう。掲載したのは上から三田国際学園(世田谷区。以下、三田国際)、広尾学園(港区。以下、広尾)、渋谷教育学園渋谷(渋谷区。以下、渋々)の3校である。 【よく見ると…】大きくまくれてる…!東大合格者ランキング「歓喜の短パン女子」胴上げ写真 中学受験に詳しい『森上教育研究所』所長の森上展安氏が解説する。 「3校に共通するのは、もともと女子校だったということです。三田国際は戸板女子、広尾は順心女子学園、渋々は渋谷女子という校名でした。いずれも’90年代から’10年代にかけて現校名に変更。共学になってから実績が急伸しました」 森上氏は「急成長には特殊な事情がある」と続けた。 「都内の進学校は男女別学が主流です。男女共同参画の時代に『共学の進学校』という新たな分野を作ったのが、渋々の学園長・田村哲夫さんでした。お父さんは目黒商業女学校などを運営する田村学園の創立者で故・國雄さんです。 哲夫さんは國雄さん亡き後、渋々のトップに就任。男子御三家の麻布から東大法学部に進んだ秀才で、まず千葉県にある渋谷教育学園幕張(以下、渋幕)を成功させ、それをモデルに渋谷女子を共学化することで大成功したんです。 哲夫さんは、新しい教育方針をどんどん打ち出します。帰国子女を積極的に受け入れて他の生徒への刺激とし、多様な価値観を認め自分で考えるという『自調自考』を徹底させました。 中高一貫の6年間でどんな成長ができるのか体系化した『シラバス』が配布され、目標から逆算した道のりを明確にしたんです。渋幕や渋々の教育に感銘を受け、兄弟全員を通わせる家庭も多いですね」 渋々は国際教育に積極的だ。三田国際や広尾の躍進のキッカケとなったのもインターナショナル化だという。 「三田国際と広尾は、東大や京大など国内の難関大学だけを目指してはいません。進学実績は海外におよぶのです。米国のプリンストン大学や英国のダラム大学など、世界各国の名門大に合格者を出しています。 入学時から海外の大学を目指すコースを設置。英語で授業やテストを行い、海外の学校とも積極的に提携し留学生を送っています。米国の大学進学希望者を対象とした、共通試験を受けることもできます。 両校が立地する用賀や広尾は、周囲にインターナショナルスクールやアメリカンスクールなどに通わせるご家庭が多い。国際化を全面に押し出すことで、近隣の優秀な子供たちの人気を集めました。 海外の大学への進学で実績を出し、相乗効果として国内の難関大学への実績も大きく伸びています。国内だけでなく海外の名門大にも進学できるのは、親にとって大きな魅力でしょう」(森上氏) 三田国際や広尾の進学実績は成長を続け、渋々は男女御三家の一角を凌駕しつつある。「共学の進学校」が日本のトップになる日も近いかもしれない。
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