成田空港、グラハン会社初誘致 経験者で新会社、人手不足に対応
成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、グランドハンドリング(グラハン、地上支援)会社の誘致を開始し、JBS(東京・千代田区)が3月15日から同事業に新規参入した。NAAがグラハン会社を誘致するのは初めて。グラハンは全国的に人手不足が深刻化しており、成田空港でも新規就航や増便への対応が課題となっている。 【写真】成田空港を出発するバティックエアー機を見送るJBSのスタッフ JBSは旅客・ロードコントロール・ランプなどのグラハン事業を担う。初期メンバーは15人で、1日3便を毎日受入れできる体制を構築。同日からバティックエアー・マレーシア(旧マリンド・エア、MXD/OD)のグラハンを担い、中国の青島航空(QDA/QW)からも受託する見通し。 同社は空港に隣接する航空科学博物館の敷地内にある教育施設「空飛ぶ学び舎ラボ」のスタッフを中心に発足。コロナ禍で離職したグラハン経験者を集め、体制を整えた。 成田空港はさらなる機能強化に伴い、空港業務の労働需要が高まっている。空港内企業の合同説明会のほか、千葉・茨城両県の高校教員を対象とした空港視察会も開催。千葉県内の大学との情報交換会などにより、人材の確保を急いでいる。 また航空業界では、空港のカウンターや搭乗口で働くグランドスタッフ(地上旅客係員)による旅客サービスやグラハン事業者50社が業界団体「空港グランドハンドリング協会(AGHA)」を2023年8月25日に設立。人手不足が課題となっていることから、空港業務を安定的に発展させていくために発足した。
Yusuke KOHASE