【婚約期間19年の末に…】60歳でアカデミー賞受賞した女優 ミシェル・ヨーに学ぶ生きるヒント|美ST
内面美が表情に表れている今、最も輝いているアジア人女優にクローズアップ。今回は「エブエブ」の通称で知られる大人気作品『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したミシェル・ヨー(61歳)の美の変遷を振り返ります。
ミシェル・ヨーが今輝く理由とは?
60歳にしてアカデミー賞主演女優賞を手にしたミシェル・ヨーによって確認させられたことがあります。それは人生にはその時にふさわしい顔があるということ。ジャッキー・チェンやチャン・ツィイーなどの主演を支える役が長年続いた時でも、彼女は控えめな笑顔の中に自信と存在感を感じさせていました。その裏には15歳からバレエ留学していたとはいえ毛色が違う激しいカンフーアクションや危険なスタントシーンを習得し、アクション女優の先駆けになった大きな努力があります。彼女がよく言う「慣例を打ち破れ」という言葉は、いつも彼女を前進させてきました。1997年「007」シリーズ初の“戦うボンドガール”を演じた時もそう。その頃の彼女の顔に感じるのは、チャンスが来た時に摑み取る前向きな野心。アジア人俳優だからと言ってハリウッドの背後に甘んじない、という決意です。 そしてついにアカデミー賞を受賞した映画、通称『エブエブ』で60代にしてキャリアを極めたミシェル。この撮影時にさえ、「英語、しゃべれるの?」と聞かれたことがあったとか。実は英語ではなく、この作品への出演は大きな挑戦でした。なぜなら、このように生活に疲れた主婦を演じることは過去にはなかったから。それまでは強い女性ばかりを演じてきたのです。娘世代との断絶に悩み、家族の幸せに到達する普遍的なテーマの作品出演が、「穏やかで静かな表情を自分のものにするために何年も費やした」という言葉に繫がります。 またそれは彼女の私生活にも。今年2度目の結婚をした夫ジャン・トッド(元「フェラーリ」CEO)とは、なんと19年間も婚約していました。何事も受け入れ、時間をかけることができる、その間に自分ができる努力を惜しまないのが彼女の魅力。他人が貼るレッテルを気にせず、新境地を探し、自分がどうなりたいかを常に問いかける。それが自分を尊重すること。今のミシェルが美しく見えるのはそのためです。