「アジア人蔑視疑惑」ロバート・ダウニー・Jr.がそれ以上にヒヤッとさせた「司会者と一触即発」状態
ハリウッド最高の栄誉とされる第96回アカデミー賞の授賞式が3月10日(現地時間)、ロサンゼルスで開催され、下馬評通り、第二次世界大戦で米国の原爆開発を主導して”原爆の父”といわれた科学者の伝記映画『オッペンハイマー』が作品賞、クリストファー・ノーランの監督賞、キリアン・マーフィーの主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.の助演男優賞など最多7部門で受賞した。 【えっ意外…付き合ってたの?】ダウニーJr.とサラ・ジェシカ・パーマーとの「貴重ツーショット」 また『ゴジラ-0.1』が日本映画史上初&アジア初の視覚効果賞を受賞。宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』が『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりに2度目の長編アニメーション賞を受賞し「日本映画2冠」の快挙となった。 そうしたなか、今年もハプニングが続出した。 日本でも報じられ大きな話題となっているのが、ダウニーによるアジア系俳優への“無視”騒動だろう。 「下馬評通りに助演男優賞を受賞して登壇し、プレゼンターのアジア系アメリカ人俳優キー・ホイ・クァンからオスカー像を受け取ったとき、ハグもせずスルーしたことで“アジア人蔑視疑惑”を取りざたされました。 ですがその後、ダウニーはクァンらとハグして自撮りし、さらには笑顔でクァンらと一緒に記念撮影をした写真がアカデミー賞の公式インスタグラムにアップされ、疑惑に終止符を打ちました。まあ、悲願の初のオスカーで舞い上がっていた可能性もありそうですね」(女性誌記者) アジア系への蔑視ということで日本でもかなり話題になったが、実はそのダウニーはさらなるハプニングに巻き込まれていた。 米メディアによると、司会を務めたコメディアンで俳優のジミー・キンメルが、授賞式の冒頭で『オッペンハイマー』のダウニーに言及して 「今夜はロバート・ダウニー・Jr.の長く輝かしいキャリアの最高点のひとつだ」 と称賛したうえで、 「ハイの日はほかにもあったか?」 と過去の麻薬事件をほのめかした。そしてカメラが客席にいるダウニーが人差し指で鼻をトントンと叩く仕草を見せるのを映した。 これを見たキンメルは 「(スピーチが)鼻につく? それともドラッグの合図?」 と“危ないジョーク”を連発。ダウニーは釣り竿のリールを回すような動作をしてキンメルに“巻き”のサインを出した。 ’22年のアカデミー賞でのウィル・スミスの“司会者ビンタ事件”のような大惨事にはならなかったものの、ヒヤリとする一幕だった。 映画やドラマでも描かれるが、コカインはストローやドル紙幣を丸めるなどして鼻から吸うのが一般的といわれる。ちなみにアカデミー賞ではコメディアンの司会者がノミネートされた俳優らをネタに“毒舌”をふるうのが恒例になっている。 ダウニーは、’96年に麻薬不法所持で逮捕され1年間刑務所に入所したのをはじめ、’01年にはコカイン所持で逮捕され3年間の保護観察処分を受けている。’03年に麻薬絶縁を宣言し、その後はドラッグに手を出していないという。 この夏、自身のポッドキャストで、 「(刑務所は)惑星が一直線に並ぶまで帰る道がない遠い惑星に送られたようなものだった」 と語っている。 ’08年に1作目が公開された『アイアンマン』シリーズが大ヒットして復活し、『シャーロック・ホームズ』などで幅広い役を演じ、『オッペンハイマー』でついに初のオスカーを手にしたダウニー。まさにハリウッドならではのドラマだが、今年の受賞式で彼が何かと注目の的であったことは間違いないだろう――。 文:阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長) 現在はWebマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員
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