薬の基礎、薬剤師に学ぶ 三重県老連「シニアカレッジみえ」松阪で開校
県内26人が受講 12月まで計8日
2024(令和6)年度三重県老連健康づくり大学校「シニアカレッジみえ」(県老人クラブ連合会主催、吉良勇藏会長)が28日、殿町の市福祉会館で開校した。県内から26人が受講し、講義を通じて得た内容は地域活動などを通じて地域社会に還元していく。 同カレッジは次世代を担う若手リーダーの育成を目的に健康や生きがい、地域づくり、防災対策などの講義や演習などを行う。2010(平成22)年から毎年、会場を変えながら県内各地で開いており、今年は松阪市が開催地となった。15回目。12月まで計8日間(6月28日、7月9日、8月2日、同29日、9月20日、10月2日、11月1日、12月3日)の日程で行う。 この日は開講式の後、第1限の授業として、県薬剤師会の薬剤師・中澤直美さんを講師に迎え、「高齢者のための薬の知識」と題して講義を行った。 中澤さんは最初に「薬局で払うお金には、薬剤師との相談料も含まれているので、気になることがあったら聞いてほしい」とし、年を取ると身体の機能が低下して薬が強く効き過ぎたり、副作用が強く現れることがあると例示。 また▶同じ薬でも人によって処方される量が違う▶「薬剤の効果を最も発揮しやすい形」に作られているので飲みにくいからといって錠剤を自分で砕いたり、カプセルを外してはいけない▶点眼薬は1滴で十分効果がある▶薬の保管は光と湿度を避ける――など薬に対する知識や注意点などを話した。 また、地震や事故に遭った場合など「お薬手帳」を携帯しておくと、スムーズに医療が提供されるなど持ち歩くことの大切さも伝えた。 質疑応答では「飲み合わせが悪くて死ぬことはあるか」との問いに「100パーセントないとは言えません」。「処方箋が出ている薬を『飲みにくい』という理由で薬局で変えてもらうことはできるのか」には「薬剤師が医師に(薬の変更)提案をすることができます」などと話した。 受講した竹田淨さん(73)=飯南町粥見=は「薬の知識について、保管方法など思い込みがあったことに気付いた。薬剤師に相談することが大切だと痛感した」と話した。