シャウエッセンを超えろ!~巨大食肉メーカーの大改革
シャウエッセン以外の商品は?~驚き!日本ハムの肉ビジネス
シャウエッセンが有名だが、それ以外にもスーパーの精肉売り場には日本ハムの商品が並んでいる。パッケージに社名の表記がないために知られていないが、国内で流通する牛・豚・鶏の食肉のうち、約2割が日本ハムの商品だ。 「日本ハムさんの商品にはいろいろな種類がありまして、何でも揃い、なおかつ品質が高い。バイヤーとして非常に助かっている存在です」(「オリンピック」佐々木智史さん) 日本ハムは多くの外食チェーンにも肉を卸している。「焼肉きんぐ」もそのひとつ。「餃子の王将」でも、全国の多くの店舗で、餃子の餡に日本ハムの肉が使われている。 日本ハムの本社は大阪にある。従業員はグループ全体で約2万7000人。連結売上高約1兆2600億円を誇る食肉業界の最大手だ。
肉だけではない。野菜を加えるだけで本格中華が作れる「中華名菜」シリーズは1994年に発売されたチルド惣菜のロングセラー。乳製品にも力を入れており、1980年には日本で初めて「飲むヨーグルト」と銘打った商品を発売。さらにはサバの缶詰まであって、食品メーカーとしても売上高が味の素に次いで国内第2位だ(2022年度、飲料を除く)。 日本ハムは1942年、徳島の養豚業者たちによる小さな加工工場から始まった。戦後、ハムやソーセージの需要が高まるにつれ、牛や鶏なども扱い、事業を拡大していく。 1963年には本社を大阪に移転。1973年にはプロ野球球団を買収し、日本ハムファイターズが誕生する。それを機に会社の知名度は全国区となった。 そんな日本ハムが50年以上も前から続けている取り組みがある。1969年に始まった「奥様重役会」という会議がルーツの「食の未来委員会」。社外モニターが1年間、日本ハムの商品を試食して評価する。 この日は10人の社外モニターが集まり、エビをウリにした加工食品を評価。「エビの量が全体的に少ないと思いました。商品名にエビって大きく出ているので、たくさんエビが入っていると期待して開けたんですけど」「最初はおいしいと思って、ずっと食べ続けたら、なんかちょっと味が単調」など、手厳しい意見が次々と。こうした消費者の声をもとに商品を改良していくのだ。