ビットコイン、6.4万ドル超え──中国の景気刺激策への期待を受け
ビットコインは、中国の景気刺激策への期待が再燃し、特定のビットコインをベースとした資産に対する需要が高まったため、アジア時間10月14日で64000ドル(約954万円)を超え、主要な暗号資産の上昇を牽引した。 データを参照すると、ビットコインは本記事執筆時点より過去24時間で2%上昇し、主要通貨のイーサリアムとソラナは3%上昇した。エックス・アール・ピーとバイナンスコインは横ばいだった。幅広く最大規模の複数のトークンを追跡するCoinDesk 20(CD20)は2.19%上昇した。 コイングラス(CoinGlass)のデータによると、1億ドル(約149億円)以上のショート(価格の上昇とは反対するベット)が今回の動向によって清算された。 トレーダーの間で「スーパーサイクル」の話が続く中、一部のミームコインが週末の値動きについて支配的となった。モグ(MOG)は7日間の上昇幅を20%近くまで伸ばし、S&P500指数を模したSPX6900は135%まで上昇した。コインゲッコー(CoinGecko)によると、ビットコインをベースとしたミームコインと Runes(ブロックチェーン上に存在する資産のプロトコル)は週末に最大 10% 上昇し、1 週間の上昇率は 100% を超えたが、過去 24 時間の上昇率は減少した。 レイヤー 2 やストレージなどの、より本格的な暗号資産セクターの市場ボラティリティが低いこと、およびベンチャーキャピタルファンドが支援するトークンに対する否定的な感情が高まっていることから、ミームコインへの関心は高まっている。ベンチャーキャピタルファンド系のトークンは、過大評価されており個人投資家にとって悪い賭けであるとの認識が益々強まっている。
中国の景気刺激策と米国の動向
ビットコインが上昇したのは、中国株が新たな景気刺激策への期待に支えられ、同日午前の取引を値上がりで終えたためである。ブルームバーグによると、中国の藍仏安財務相は、現地時間10月12日のブリーフィングで不動産セクターを支援するための新たな措置を約束し、政府による借り入れの拡大を示唆した。 しかし、同発表は期待を下回り、中国関連資産に対する流出が続く可能性は低いことを示唆した。 「中国株が週末の失望から回復したため、ビットコイン価格は今朝64000ドル(約954万円)を超えるまで急騰した。そのため、リスクセンチメントは追って通知があるまで『すべて買い』というモードのままだろう」とSOFAのインサイト責任者オーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はCoinDeskに対するテレグラムメッセージで語った。 「現地時間10月11日のビットコイン流入が好調だったことは、選挙運動が最終週に向かう中で、今後の前向きな兆候かもしれないが、近いうちに新たな最高値を記録するには忍耐が必要になるだろう」とファン氏は現地時間11月5日に予定されている米国選挙に言及しながら述べた。 米国市場では先週、CPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)の両方が強気となり、比較的堅調なデータが示された。市場は当初データの影響から混乱したが、最終的には「コア」インフレ傾向は維持され、カーブの急勾配化が継続していると判断された。 米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に25ベーシスポイントの利下げを行う可能性が85%以上あると市場では引き続き予想されており、米国株は高ベータ銘柄とドルがさらに上昇し、史上最高値を更新した。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Stefan Schurr/Shutterstock|原文:Bitcoin Begins the Week on a High, Jumps Above $64K
CoinDesk Japan 編集部