ガッツポーズで脱臼したバティアが優勝! 松山英樹とマキロイはマスターズに向け上々の仕上がり【コラム】
ガッツポーズで左肩を脱臼する前代未聞のアクシデントを経てアクシャイ・バティアが米ツアーのバレロ・テキサス・オープンでプレーオフを制し優勝。マスターズ最後の切符をもぎ取った。 72ホール目のことだった。最終日のバックナインで初優勝を狙う31歳のデニー・マッカーシーが7連続バーディを奪う猛チャージで、一時は6ストロークをリードしていたバティアに並びかける展開に。 最終ホールで先に通算20アンダーまで伸ばしたマッカーシーの前で、バティアは何としても3.5メートルのバーディパットを決める必要があった。 17歳でプロ転向した22歳の若武者が放ったバーディパットはスルスルとカップに吸い込まれ、その瞬間にバティアは左腕で激しいガッツポーズ。興奮状態から醒めると「肩が外れている」ことに気づき、観戦に訪れていた彼女に脱臼したことを打ち明けたという。 迎えたプレーオフ1ホール目、それまで絶好調だったマッカーシーが残り100ヤードからの第3打目を池に打ち込むまさかの展開。するとバティアの元にトレーナーが駆け寄り、フェアウェイ脇で肩を所定の位置にはめてもらいプレーを続行した。 第3打目でグリーンをとらえたバティアに対し、ボギーパットを外したマッカーシー。最後はきっちりバーディを決めたバティアがプレーオフを制し、嬉しいツアー通算2勝目を飾った。 「クレイジーな一日だった」とホッとした表情を見せたバティア。SNSで知り合ったプレスリー・シュルツさんと2年前に対面で初めて会った思い出のバレロ・テキサス・オープンで優勝したのだから喜びもひとしおだ。 しかも昨年のバラクーダ選手権での優勝では手に入らなかった最後のマスターズ出場権を手にしたのだ。若くしてプロになりマスターズ出場を目標に挑み続けたバティアにとって生涯忘れられないクレイジーな1日となった。 マスターズに照準を合わせるビッグネームも上々の仕上がりを見せている。 2021年以来2度目の優勝を目指す松山英樹はムービングデー(3日目)に「66」をマークし、34位タイから4位タイに急浮上。最終的に7位タイと大会自己ベストの成績を収めた。 「この状態だったら来週(マスターズ)は厳しい戦いになる」といつものように自己評価は低かったが、ここのところの好調ぶりにファンの期待値は上がる一方だ。 また、今回勝てば悲願のグランドスラム達成となるローリー・マキロイも尻上がりに調子を上げ、最終日に「66」を記録し単独3位に食い込んだ。昨年は予選落ちに終わっているが今回はひと味違うマキロイが見られるか注目だ。