戸建てのマイホームを建てる予定ですが、火災保険の選び方について教えてください。
夢のマイホームを手に入れると同時に、「もしも」に備える火災保険の加入は必須と言えるでしょう。とは言え、何をどう選べばよいのか迷うものです。 住宅購入の際に不動産業者や金融機関で提案されるケースも見られますが、適切な補償なのか不安という声も聞かれます。ここでは、戸建て住宅の火災保険の選び方について基本的なことをお伝えします。
火災リスクだけではない「火災保険」の補償
一般的に「火災保険」と呼ばれるのは、住宅を取り巻くさまざまなリスクに対して総合的に補償する「住宅総合保険」という保険商品です。大切なマイホームが燃えてしまった場合の補償だけでなく、水災や風災、雹(ひょう)災、盗難被害なども補償することができます。 基本的には、各損害保険会社で補償内容に大きな差はないものの、免責金額や特約、付帯サービスの充実度などに違いがあります。また、同じ補償でも、保険会社によって補償の名称が異なる場合があります。そのため加入にあたって迷われる方が多いようです。 ◆増加する自然災害のリスク ここ数年、台風やゲリラ豪雨など自然災害による被害がニュースなどで伝えられる機会が増えています。 特に、戸建て住宅では、近隣の川が氾濫した場合の床上浸水や、突風による屋根や壁の損壊が気になります。火災が発生するリスクよりも風水害の方が可能性は高いかもしれません。こうした被害への備えもふくめて安心を確保しておきたいものです。 ◆火災保険の対象は、「建物」と「家財」 火災保険では、「建物」と「家財」を別々に保険の対象として契約します。「建物」には、住宅の基礎を含む畳や配管、浴槽など建物に定着している物が該当し、「家財」は後から建物内に設置したテレビやテーブル、衣類などが挙げられます。 「建物のみ」「家財のみ」でも加入できますが、いずれにも加入することが適切でしょう。 ◆迷ったら、保険料負担とのバランスで補償プランを選択 名称は若干異なりますが、多くの保険会社では、以下のような場面を想定して「基本補償」を設定しています。 (1)火災、落雷、破裂・爆発、 (2)風災、雹(ひょう)災、雪災、 (3)水ぬれ(給排水設備の事故等)、 (4)盗難、 (5)水災、 (6)破損、汚損等(不測かつ突発的な事故で対象物が損壊した場合) 基本補償のうち、すべてを対象とする「充実プラン」や一部対象外の「エコノミープラン」などパッケージ化されていることが多いため、必要に応じてプランを選択しましょう。 そのうえで、負担する保険料とのバランスをふまえて、特約や保険期間について検討すれば、比較的、納得のいく補償を確保することができます。 マンションなどでは、水災を対象外とするケースも多く見受けられますが、戸建て住宅であれば、保険料が上がっても、付帯しておくと安心です。