私服も話題の演歌歌手・細川たかし「派手なのを着て、みんなに“おぉ~! ”って言われるのがいい (笑)」
お父さんやお母さん、そのまた上の世代にとっては、超が何個ついてもおかしくない大御所の演歌歌手…のはずなのに、なぜかZ世代にとっては“なんか私服がすごい人 (え、歌手なの?) ”認識。そのギャップに対し、「まあそういうのもおもしろいよね」と軽やかに笑い飛ばす、細川たかしさん。 ――1月に週刊誌に撮影された私服姿が、めっちゃくちゃ話題になりましたね。 奈良県で公演が終わったあと、会場を出たら週刊誌の記者がいてね。まあ撮らせてあげないと彼も東京に帰れないだろうし、向こうも仕事だしさ…という状況で撮影されたのが、あの写真。記事の内容は“細川たかしが再婚”というものだったんだけど、その後なぜか、洋服がどうのこうの…って話になって。僕としては、あの日は寒かったからあの服を着てたってだけなんですけどねぇ。 ――騒がれ方は想定外でしたか? 想定外ですよ (笑) 。でも、年末年始、日本は暗いニュースが多かったでしょう? その中で結婚っていうのは少しは明るい話題だったのかもしれない。ただ、なんであの出で立ちがそこまで騒がれたのか、よくわからない (笑) 。 ――ということで、今日もあの写真と同じブランド『マーク & ロナ』のセットアップでご登場です。ゴルフウェアなんですよね? そう。最近はゴルフにも普段にも使える服がいいね。もう1つお気に入りのブランドがあるんだけど、それもゴルフウェアのブランドだよ。 ――たぶんみんな気になっていると思うので伺いますが、細川さんのファッションのポリシーは? 派手なのが好き。派手なのを着て、みんなに「おぉ~!」って言われるのがいい (笑) 。ちなみに着物も同じ感じで選んでます。 ――衣装が派手なら、私服は地味に…みたいなことは思われない? 全然思わないね。30代は全身ヴェルサーチだったし、その後は全身エルメス。エルメスはね、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ全部真っ黒。オールブラックだったの。一時期EXILEが全身黒をやってたけれど、俺のほうが先だからね、全身黒は (笑) 。 ――今月、私服写真を集めた日めくりカレンダーが発売されましたが、改めてご自身の私服ショットをご覧になって、感想は? 派手 (笑) 。でもさすがはプロの仕事、素敵に仕上がっていて、感動しました。 ――新曲『男船』のジャケットにも、週刊誌に撮られた写真が使われましたよね。水しぶきの中に細川さんがズラッと並んでいて…。かなりインパクトがあって、びっくりしました。 そうそう。なんか若いデザイナーが作ってくれたんだけど、ぱっと見て、「あ、こんなにたくさんいるのかい」って言っちゃった (笑) 。まあみんな、なんかいろんなこと考えるよねぇ。 ――一方で、ある意味ご自身の写真が遊ばれている、と言えなくもない気がするんですが…。 全然いいよ! やってくれた若い人たちに、「みんな、もっとエキサイティングしろよ!」って言ったくらいだから。もちろんダメなものはダメだけど。 ――おもしろとダメの境目はどこにあるのでしょう? よくわからない (笑) 。っていうか、ほとんどダメって言わないからね。 ――大御所歌手の方は、そういうおもしろがられ方はお好きではないのかな…と思っていました。 確かに昔の人たちはそういうところもあったかもね。話しかけることもできない…みたいなイメージ、ありましたよね。でもそれを覆したのが、俺と前川 (清) さんと、吉幾三。ちなみに前川さんはボケ専門なんだけど、俺はツッコミもできるから、なんでもOKなの。女性歌手でいうと、小林幸子さんとか川中美幸さんなんかも、こういう感じ、好きだと思う。もちろん今でもバラエティっぽいのが苦手な演歌歌手もいますよ。そこはどっちがいい悪いっていうことではないからね。 ――細川さんは、もともと楽しいことが好きな性格でしたか? そうね、小さい頃から暗いタイプではないね。でも大きかったのは、30歳頃に萩本欽一さんと番組でご一緒したことかな。 ――欽ちゃんと呼ばれるコメディアンですね。昭和のテレビを席巻した、通称“視聴率100%男”。 確か’81年の春、僕はある番組でコントをやっている最中、アキレス腱を切っちゃったんですよ。当時の僕は、20代中頃にデビューし、それなりにヒットを飛ばしたんだけど、その後鳴かず飛ばず…という時期で、入院しながらテレビで他の人が歌うのを見ながら、“自分はもう終わりか…”って、珍しく落ち込んでたの。その後リハビリをしながら徐々に仕事に復帰し始めた頃、萩本さんから声をかけてもらって、久しぶりにテレビに出た。そのバラエティがとても楽しくてね。そしたら萩本さんが「来週もおいでよ」と誘ってくれて、さらに「やっぱり歌手だから、歌ったほうがいいなぁ。なんか歌、ないの?」と。レコーディングが終わってる曲がいくつかあった中に「北酒場」があって、それを歌うことになった。 ――嬉しい展開! でもレコーディングしたのは随分前で、正直全然覚えてないから、歌詞はカンペを出してもらったんです。が、本番になったら会場が真っ暗でカンペが全然見えない (笑) 。それで途中で「すいません、歌詞を忘れました」と言ったら音楽が止まり、萩本さんが「なんなの!」ってズッコけて、よくわからないけど観客が大ウケ。翌週も途中まで歌う、その翌週もまた途中まで…っていうのを1か月くらい繰り返していたら、最後は僕が出ていくだけで大笑いと大歓声。小出しにしたおかげで曲も覚えてもらえ、僕はコメディの間や雰囲気の掴み方を学ぶことができた。今、生放送のバラエティに呼ばれて対応できるのは、その頃の経験があるからです。 ほそかわ・たかし 1950年生まれ、北海道出身。’75年歌手デビュー。’82年『北酒場』がミリオンヒットし、日本レコード大賞受賞。翌年『矢切の渡し』で史上初の日本レコード大賞2年連続受賞、’84年『浪花節だよ人生は』で最優秀歌唱賞を受賞し日本レコード大賞3冠を達成。以降ヒットを重ね歌手として大活躍、幅広く芸能活動を行う。 最新シングル『男船』 (日本コロムビア) が好評発売中。話題になったスタイルを含め、私服の写真のみを集めた『THE私服カレンダー 日めくり細川たかし』 (主婦と生活社) も発売中。家でくつろぐ細川さん、ゴルフ場でアイアンを振る細川さん…。めくればめくるほどその出で立ちから目が離せない! 31日分掲載された珠玉の“たかし語録”も必読。また、公式オンラインショップで販売されている個性的なオリジナルグッズも話題。 ※『anan』2024年7月31日号より。写真・内田紘倫 (The VOICE) (by anan編集部) あわせて読みたいanannewsEntame 琴櫻将傑「銀と銅のメダルは全部車に隠してました (笑)」 横綱だった祖…2024.5.7anannewsEntame 90歳のレジェンドイラストレーター・宇野亞喜良「夢中になって日3枚描くこ…2024.4.27anannewsEntame 野呂佳代「“ぽっちゃり系にも輝いている人はいる! ”という思いがあった」 …2024.4.22anannewsEntame 毎熊克哉「自分でもあっという間に死んだな…と (笑)」 大河『光る君へ…2024.4.13anannewsEntame デビュー9年目、藤原さくら「今でも一番好きなアーティストはポール・マッカ…2024.4.6