50歳で「早期退職」したいです。妻と2人であれば「貯金4000万円」で暮らしていけますか? パートでも働くべきでしょうか?
働いていると、「50歳で早期退職したいけど、今の貯金でやっていけるか不安」などと思う方も多いのではないでしょうか。 2017年にチューリッヒ生命保険株式会社が20代~50代を対象に行った調査によると、勤め先でのストレスが最も多い年代は、男性は50代、女性は40代という結果です。コロナ禍を経た2023年の同調査においても、仕事はストレスの大きな要因となっていることが分かりました。 そこで今回は、50歳で退職するには貯金がいくら必要かを検証します。
前提条件は?
まずは今回検証する際の前提条件は、以下のとおりです。 【前提条件】 夫:50歳(大卒会社員) 妻:50歳(専業主婦) 子ども2人(共に大学を卒業、一人暮らし) 夫の年収:500万円 夫の就業期間:22歳~50歳(同じ会社に勤務) 寿命:90歳 ■生活水準によって大きく変わる 次に毎月かかる生活費を3つの水準に分けます。2022年に公益財団法人生命保険文化センターが行った調査によると、夫婦2人で老後生活をするうえで必要な毎月の生活費は、最低でも23万2000円、ゆとりある生活のためには37万9000円必要という結果になりました。 そのため今回は毎月かかる費用として、「最低限の暮らし」を23万2000円、「ゆとりある暮らし」を37万9000円として計算し、90歳まで生きると仮定します。 ■収入面の前提条件は? 次に、50歳以降に得られる収入を計算します。収入については大きく分けて、退職金と年金収入の2つがあります。まず退職金は、2023年に厚生労働省が行った「就労条件総合調査」によると、自己都合で退職した人が受け取れる退職金(大卒・大学院卒 勤続年数20年以上かつ45歳以上)の平均値が1441万円であるため、その数値を参考に使用します。 次に年金額については、株式会社三井住友銀行が運営する年金資産シミュレーションをもとに計算し、50歳で退職する場合に毎月受け取れる額を17万4000円、55歳で退職の場合を18万7000円として算出します。