観光客急増で……注目は「分散」と「値上げ」 AIが混雑予測、京都「快適度マップ」とは? 宿泊施設や遊園地で料金UPのワケ
日テレNEWS
観光客が急増することで地元住民らの生活に影響を与える「オーバーツーリズム」。各地で問題になり、宿泊施設などの値上げという懸念も生じています。自治体などによると、対策のカギになるのは「分散」だといいます。これらの実際や背景を考えます。
■分散目的で活用を促す京都の「マップ」
有働由美子キャスター 「オーバーツーリズムの影響が深刻ですが、対策のしようはあるのでしょうか?」 小栗泉・日本テレビ解説委員 「自治体に聞くと、オーバーツーリズム対策のカギは『分散』だといいます。京都市観光協会によると、場所と時間の分散。ガイドブックに載っていないようなとっておきの観光地や、人が集まる日中ではない、朝や夜のおすすめスポットを紹介するというものです」 「この分散目的で活用してほしいとしているのが、『京都観光快適度マップ』です。自分が観光しようという日の時間と天気を選択すると、AIが混雑状況を予測してくれるというシステムです。予定を立てるヒントにもなりますよね」
■廣瀬さんに聞く…「横の連携」を
小栗委員 「また神奈川・鎌倉市では5月のゴールデンウイークの時、地元の住民などに対し、江ノ島電鉄の鎌倉駅に優先的に入場できる証明書を事前に発行するなど、地元住民に寄り添う対策が取られていました」 有働キャスター 「自治体も試行錯誤をしています」 廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー) 「僕も鎌倉でお店をやっていますが、お客さんが増えること自体は、商売をやっている以上、嬉しいなと思います」 「どこかのお店がとても混んでいたとするならば、お待たせするのは申し訳ないので『他のお店なら行けますよ』という形で横の連携をしながら、お客さんの満足度を上げる、まちのことを好きになってもらえるような仕組みができるといいなと思いました」 有働キャスター 「そうなればいいですよね」
■宿泊料金2割増、遊園地の4割が値上げ
小栗委員 「観光地には他にも『値上げ』という懸念があります。ホテル調査会社STRによると、新型コロナウイルス感染拡大前だった2019年との同月比でみると、今年6月の宿泊料金は20.1%上昇しています。観光客の急増がホテルや旅館の宿泊料金にも影響しています」 「さらに20日、帝国データバンクにより明らかになったのは、遊園地の約4割が今年値上げをするということです。フリーパスも平均で4000円を超えます」 有働キャスター 「私たち利用者の懐には響きますね」