阪神・ノイジー、雄叫びV押し出し四球! 大相撲春場所観戦パワー!?先制点も自身の押し出し MVPを問われた岡田彰布監督は「そらノイジーやろ」
(セ・リーグ、DeNA3-5阪神、5回戦、2勝2敗1分、24日、横浜)いくら雨が強くなろうと、阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)の両眼はばっちりボールを捉えていた。決まり手は押し出し―。最高に熱くなる場面で、誰よりも冷静な男がバッターボックスにいた。内角に外れるボールを見切って勝ち越しの押し出し四球。殊勲の助っ人砲は胸を張った。 【写真】五回、押し出し四球を選び先制点をもたらした阪神のシェルドン・ノイジー 「厳しい球には手を出さずに、しっかりと自分のカウントで勝負できるようにやっていこうと思っていました。本当に、前のランナーの人たちが出塁してチームで勝てたと思います」 1―3と2点差で迎えた九回、4番・大山の中前適時打で同点となった直後に打席に向かった。試合前時点で得点圏打率は・000(12打数無安打)。それでも、打ち気にはやらない。制球の定まらない5番手・徳山に対し一度もバットを振らず、決勝の押し出し四球を勝ち取った。五回2死満塁でも冷静に四球を選んで先制に成功。ボールが見にくくなるほどの風雨の中で選球眼が光った。 開幕前の3月18日には大相撲の大阪場所を観戦してリフレッシュ。興味津々だった日本の文化を間近で体感した。多くの〝押し出し〟を見届けた男が、引き分けを挟んで今季初の7連勝を導いた。 この日は4月9日の広島戦(甲子園)以来、13試合ぶりに5番で出場。二回に先頭で左前打を放つと、四回も先頭で右前打で出塁するなど今季初のマルチ安打でチャンスメーク。岡田監督は「結果的に変えて点入ったし、(打順を変えて)良かったやん。(MVPを選ぶなら)そらノイジーやろ」とねぎらった。 来日2年目の今季は若手の前川が台頭。左翼は相手先発の左右によって併用する形になっている。その中でも攻守でベストを尽くし、クリーンアップ起用に応えて勝利に貢献したノイジーは、チームメートへの感謝を強調した。 「きょうの勝ちは自分の前で出塁した選手たちのおかげ。そして、チームでつないだおかげだと思うので、本当にチームの勝利だと思います」 つなぎの精神で主役になった男は、最後も謙虚に締めくくった。これからも相手の攻めどころを見極め、打線を活性化する。(邨田直人)