【山口県】アメリカ金属鉱業専門誌でトップ10入り ㈱末武工業所 伝統と革新の融合
周南市の㈱末武工業所(金近右太社長)がアメリカ金属鉱業専門誌 Metals & Mining Review(メタルズアンドマイニングレビュー)で、アジア環太平洋地域の金属形成企業トップ10として紹介された。 金近社長らは3月28日、市役所を訪問して藤井律子市長に報告した。 国内企業でトップ10に入ったのは兵庫県の㈲金田商事の受賞に続き2例目で、雑誌の表紙は金近社長が飾った。 同雑誌は、紙、電子版で発刊する金属鉱業に特化した専門誌で、昨年10月に同社にメールで問い合わせがあったという。金近社長は当初、新手の詐欺と疑ったと笑顔で話し、苦労しながら英語でやりとりしたという。 同社は創業69年で、従業員数46人。補修メンテナンス部門、ステンレス加工・販売部門、鉄鋼製缶部門の3部門が事業の柱。 補修メンテナンス部門は主にプラント機器のメンテナンスや施設改修を手掛ける。 ステンレス加工・販売部門はレーザー加工機などを使用した高精度加工や特殊金属加工が強み。 鉄鋼製缶部門では圧力容器製造から特注製缶、切断から曲げ、溶接までを自社工場で一貫加工している。 熟練の技術工やプラントメンテナンスのスペシャリストを揃え、顧客からも高い評価を受ける。
昨年にはコロナ禍のキャンプブームに着目し、鉄鋼技術の関心を高めようとファイバーレーザーを使用した4種類のたき火台を制作。持ち前の技術で幅広い分野から注目を集めている。 オリジナルブランド「匠美 TAKUMI JAPAN」を新たに立ち上げ、葦手(あしで)絵師 TOMOKO.(篠塚智子)さんとコラボしてたき火台を装飾した。 葦手絵とは平安時代に起源を持つ絵の中に文字を取り入れた書体のこと。持ち前の加工技術を活かし、風林火山、竜宮絵巻など美しい葦手絵をたき火台に表現した。 安全・健康・ハラスメント防止にも力を入れ、2019年から取り組んでいる健康経営は23年、24年と2年連続ブライト500の認定を受けた。 金近社長は「メンタルヘルスケア、ハラスメント防止など会社の取り組みも評価されたと思う。たき火台を第2弾、3弾と作って周南市を盛り上げていければ」と今後の意欲を話す。 たき火台は鉄製で直径40センチ、重さ10キログラム。5月中旬からは受注生産にも対応する。販売予定価格は11万円。 仕事・遊び・本気をモットーに熟練の技で新しいことに果敢に取り組む同社。今後の躍進に注目したい。