F1王者ルイス・ハミルトン、二輪レース最高峰のMotoGPへ参入!? 独立系チームのグレシーニ買収を検討との報道
F1の史上最多タイとなる7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンが、MotoGPに参入してくるかもしれない。 【ギャラリー】ハミルトンとロッシが”マシンスワップ”で夢の競演! ハミルトンはもともとバイクへの情熱が高いことで知られていて、2019年にはモンスターエナジーがヤマハとメルセデスの共通スポンサーだったことから、MotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシとマシンをスワップし、MotoGPバイクを走らせるというイベントも行なっている。 ハミルトンのバイク、そしてMotoGPへの関心は今、更に高まっているようだ。彼は今、MotoGPへチームオーナーとして参入するのではないかと言われている。 ハミルトンのMotoGP参入の可能性を報じたのは、イタリアの『Mister Helmet』。彼らは、ハミルトンが現在マルク・マルケスの所属する独立チームであるグレシーニ・レーシングを買収してMotoGPに参入することを検討していると知らせている。 グレシーニはロードレース世界選手権の125ccクラスで2度王者に輝いた故ファウスト・グレシーニが1997年に立ち上げたチームで、現在は妻のナディア・パドヴァーニが指揮をとっている。彼らはホンダ系のチームとして長く選手権に参戦し、250ccクラスでは2001年に加藤大治郎がチャンピオンに輝いている。 近年はドゥカティ陣営へと鞍替えして、2024年シーズンはMotoGPクラスで6度チャンピオンを勝ち取っているマルク・マルケスが加入。彼がいきなり上位争いを繰り広げて、大きな注目を集めている。 なおMotoGPの最高峰クラスでは現在、新規参入は難しくなっている。グリッドの空いている枠は新規参入が噂されるBMW向けにロックされていると見られているためだ。そのため、MotoGPクラスへ参入したい場合は既存チームを買収することが可能な選択肢となる。 『Mister Helmet』は、グレシーニがそのターゲットになる可能性があると報じたが、買収が検討されているのはグレシーニだけではないようだ。 ただMotoGPは今年、F1を所有するリバティ・メディアによる買収が発表されたばかり。この買収案件の行方も独占禁止法の規制当局から許可が出るかどうか次第だが、チームの買収についてもMotoGPを主宰するドルナやリバティ・メディアの舵取り次第だと言える。 MotoGPへの参入は、2025年からフェラーリへ移籍するハミルトンにとって、彼のスポンサー構想にとっても役立つものだろう。 フェラーリへ加入することで、ハミルトンはこれまでとは異なった商業的な関係に組み込まれることになる。そしてMotoGPでのプログラムは、そういったスポンサーの受け皿と、フェラーリの新環境での対立を防ぐための手段になりうる。 2025年からプロジェクトを進めようとするのであれば、時間はほぼ無いと言っていい。ただ彼が2026年以降の開始を考えているのであれば、あらゆる選択肢を評価する時間を持てるだろう。 ハミルトンは来年で40歳と、F1でのキャリアは終盤に差し掛かっている。MotoGPのプロジェクトが実現すれば、レースを引退したあとに向けたひとつのピースとなるはずだ。
Roberto Chinchero