大分東高で民間企業の社員が進路指導支援 新卒者の早期離職や雇用のミスマッチ防止へ
キャリアコンサルタントの国家資格を持つ大分市丹生の大分キヤノンマテリアルの社員2人が、新卒者の早期離職を減らそうと、大分東高(同市屋山、植野慎一郎校長)2年生を対象に職業選択を考える講座をボランティアで開いた。同校によると「民間企業の社員が高校の進路指導を支援するのは珍しい」という。 2人は品質管理部門で働く岡田智彦さん(50)と、人事部門の桑畑隆二さん(52)。同社では以前、新卒者の早期離職があった際、細やかな研修の充実などで解決したが、生産現場と人事部門がぎくしゃくした時期もあったという。そのため「雇用のミスマッチを防ぐには『できる仕事』と『やりたい仕事』の違いを生徒に分かってもらうことが大切」と考え、今春、知人を通じて講座の開催を打診。同校が「現場の感覚を取り入れることは、生徒に社会で輝いてもらうためにプラスになる」と2年生72人全員が参加する10月末のインターンシップの前後に実施した。
2人は講座で、給与など待遇面を重視して就職した人が、辞めるときには仕事に対する気持ちの低下を理由にしていることを指摘し「自分の興味や関心を掘り下げて、自分らしさを生かせる仕事を見つけよう」などと呼びかけた。また、11月13日には、54個の質問に答える「職業興味検査」を実施した。 園芸デザイン科2年の野上陽花(はるか)さん(16)は「以前は『どこに就職しようか』と考えていた。講座を受けて考え方が変わり、インターンシップ先が自分に向いていることを確認できた」、進路指導副主任の藤井雅明教諭(53)は「生徒たちの進路選択への姿勢が変わったと思う。今後も支援をお願いしたい」と話した。