米、予算成立後で3度目のウクライナ支援 対戦車ミサイルや防空装備
【ワシントン=坂本一之】米国防総省は10日、ロシアの侵略を受けるウクライナに対し、防空装備や携行式対戦車ミサイル「ジャベリン」、ブラッドレー歩兵戦闘車など4億ドル(約620億円)相当を追加供与すると発表した。ウクライナ支援の緊急予算が4月に成立して以降で3度目の軍事支援発表。露軍が攻勢を強めている東部ハリコフ州などでの防衛を支援する。 防空装備では、地対空ミサイルシステム「パトリオット」用や高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」用の弾薬などを供与。高機動ロケット砲システム「ハイマース」やその弾薬、155ミリ榴弾砲の砲弾も供給する。装甲兵員輸送車や耐地雷・伏撃防護車などによってウクライナ軍の素早い部隊移動を可能にする。 露軍はウクライナ北部から、国境を越えてハリコフ州で進軍を図ろうとしている。これについてカービー大統領補佐官は「数週間のうちにロシアは国境沿いに緩衝地帯を確立しようと攻撃を強め、兵力を増強する可能性が高い」と10日のオンライン記者会見で述べた。 バイデン米政権は、約608億ドルのウクライナ支援緊急予算が議会を通過して4月24日に成立したことを受け、軍事支援を本格的に再開した。同日に10億ドル相当、26日には対ウクライナで過去最大となる60億ドル相当の支援を発表した。