<リベリア ~ パーム油と百姓一揆> 由緒ある油
現代人の生活において、パーム油は欠かせないものだ。調理用油としては勿論のこと、インスタント麺やピザ、アイスクリーム、チョコレートなどの食料品をはじめ、石鹸、シャンプーから口紅にいたるまで、あらゆる製品に使われている。 パーム油の発祥は西アフリカといわれているが、その歴史はなんと5000年に前に遡るらしい。18世紀のイギリスの産業革命をきっかけに世界中で使用されるようになり、機械油の原料などとして機械産業の発展にも貢献した。 これまでパーム油のことなど気に留めることもなかったのだが、よくよくみると、パーム椰子の実の鮮やかなこと。きれいに磨けばアクセサリーにでもなりそうだ。絞り出した油も精製前は赤みを帯びていて、なかなか美しい。古代エジプトでも、遺体と一緒に樽詰のパーム椰子油を墓にいれたというが、それだけ重宝されていたのだろう。まさに「由緒ある油」とでも言えそうだ。(2015年5月) (フォトジャーナリスト・高橋邦典)