罹災証明交付で表情和らげ、輪島 「少しでも前に進める」
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市で19日、「輪島朝市」周辺の大火災で焼失した建物に関する罹災証明書の申請受け付けと即日交付が始まった。受け取った被災者は「少しでも前に進める」と表情を和らげた。 市役所には、午前9時ごろの受け付け開始に合わせ、夫婦や家族連れなど10人ほどが集まった。輪島朝市周辺の自宅を失い、家族と避難所に身を寄せる無職惣領和彦さん(53)は、罹災証明書を即日交付され「以前の生活を取り戻せるよう、できることは早め早めにやるしかない。ほんの少しだが、これでようやく前に進める」とほっとした様子。 市役所にはその後も、申請に訪れる人の姿が時折みられた。釣具店店主塩木茂郎さん(68)は通帳を作るために証明書が必要といい「輪島の銀行が復旧してお金をおろしたら、2次避難を申請したい」。親族が住む金沢市に避難している輪島塗職人風当一馬さん(65)は「(被災者対象の)支援を受けながら、職人に再び戻れるといいのだが」と不安げに話した。