ハマス政治指導者、息子と孫が空爆で殺害されたと公表 イスラエルへの要求は不変と
イスラム組織ハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ氏は10日、息子3人と孫4人が、パレスチナ自治区ガザ地区で空爆によって殺害されたと明らかにした。同氏は、これによって停戦協議でのハマスの要求が変わることはないと述べた。 ハマスとつながりのあるメディアによると、ハニヤ氏の息子らが乗った車が、ガザ市近郊のアル・シャティ難民キャンプで攻撃された。 ハマスは声明で、「破廉恥で卑劣な」攻撃により、ハニヤ氏の孫4人も併せて殺害されたとした。 イスラエル軍も、「ガザ地区中部でハマス軍事組織の3人を殺害した」と発表。3人はハニヤ氏の息子だとした。孫も死んだとされることについては言及しなかった。 ハニヤ氏は、息子3人が戦争中もガザに残っていたと、中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラに話した。 息子らはイスラム教の祝祭「イード」の初日を祝う家族の集まりに向かっていたという。 ハニヤ氏は、この出来事で、停戦協議におけるハマスの要求が変わることはないと強調。 「(停戦)交渉のクライマックスで(ハマスが)回答を送る前に、私の息子を標的にすればハマスが立場を変えると考えるなら、敵は妄想を抱くことになる」と述べた。 ハマスのテレグラム・チャンネルが報じたところでは、ハニヤ氏は今回の殺害を「子供と孫の殉教」と呼び、自分に与えられた「名誉」を神に感謝すると話した。 ハニヤ氏は1980年からハマスの有名メンバーで、ハマス全体の指導者と広くみなされている。2017年にはハマスの政治局長に選出された。米国務省は2018年、同氏をテロリストに指定した。 ハニヤ氏の家族の殺害はこれまでにも起きている。昨年10月にはきょうだいとおいが、11月には孫が、今年2月には別の息子が、それぞれ殺されたとされる。 イスラエルとハマスの停戦合意を求める国際的圧力が高まるなか、アメリカのジョー・バイデン大統領は米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官をエジプト・カイロでの協議に派遣した。 現在、協議の対象となっているとされる提案では、ハマスがガザで拘束しているイスラエル人の人質40人を解放し、イスラエルが刑務所からパレスチナ人900人を解放するなどとされている。ハマスはこれを検討中だとしている。 (英語記事 Israel-Gaza war: Hamas leader Ismail Haniyeh says three sons killed in air strike)
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