戸畑・本田颯多が大会1号「完璧です」中村竜也監督に母校で節目の夏1勝贈る/福岡
<高校野球福岡大会:戸畑5-2宗像>◇3日◇2回戦◇福岡県営筑豊緑地野球場 福岡大会1、2回戦が16試合行われ、春夏合わせ計8度の甲子園出場を誇る戸畑が2年ぶりに初戦を突破した。主将の本田颯多捕手(3年)が記念すべき大会第1号ソロ。1-0で迎えた2回、スタンドの茂みへ確信アーチを突き刺した。同校OBで05年センバツに出場した中村竜也監督(36)にとっては母校で節目の夏1勝だ。今春センバツ出場の東海大福岡は10安打8得点で快勝発進した。 いったいどこまで飛んでいくんだ。かち上げた瞬間に、本田は打球を見上げた。「完璧です。打った瞬間にいくと思いました」。 規格外の飛距離だった。1-0で迎えた2回無死。フルカウントからの7球目だった。内角直球をさばき、両翼91メートルの左翼フェンスを軽々と越える。最終落下地点は…。その後方にある高さ約5メートルの崖上の茂みに吸い込まれた。さらにこの1発が今大会第1号ソロ。ホームラン一番乗りに「ほんとですか? 良かったです」。181センチ、87・4キロの分厚い胸板を張った。 今春から各地区で低反発バットが導入され、本塁打数は減少傾向にある。ただ、本田は「上半身、下半身のトレーニングをしっかりやっている。自分は違和感ないです」。高校通算12本塁打はチームトップ。うち6本が“飛ばないバット”で放ったものだ。 あこがれの選手にカブス鈴木を挙げる。夏本番に向け、日本メジャーリーガーを参考に打撃フォームを微修正した。打席に立つ足幅のスタンスを狭くし、確実性が上がった。「しっくりきている」。万全な状態で最後の大会に臨んでいる。 春夏通じて8度の甲子園出場を誇る公立校だ。中村監督は同校OBで05年センバツに出場。当時、駒大苫小牧で楽天田中将から聖地で安打をマークした実績を持つ。昨春に母校に赴任し、2年目の夏に節目の1勝を手にし「うれしいですね。目標はやっぱり甲子園で勝つこと。選手たちも常に言っている」。63年ぶりの夏頂点を目指し、ナインとともに古豪復活を果たす。【佐藤究】 ◆本田颯多(ほんだ・そうた)2006年(平18)9月10日、福岡県中間市出身。小4で野球を始め、菅生中では小倉シニアに所属。戸畑では1年夏から背番号12でベンチ入り。憧れの選手はカブス鈴木誠也。好きな芸能人はお笑いコンビ千鳥。趣味は映画鑑賞。50メートル走6秒6。遠投87メートル。181センチ、87・4キロ。右投げ右打ち。