「勉強のために使って」、育てた花を売って義援金集め 学校に通えないなんて…被災地の子どもの実情知って行動、全額寄付へ
サイネリアの鉢植えを500円で販売
能登半島地震で被災した石川県珠洲市の子どもらを支援するため義援金を集めようと、長野市通明小学校4年4組の児童約30人が8日、同校で鉢植えの花の販売を始めた。珠洲市では地域外に2次避難を余儀なくされ、地元の学校に通えない子どもが多くいる。そうした現状を知った児童らが、何かできることをしたい―と企画。この日は校門で声を張り上げ、付近を訪れる人に支援を呼びかけた。 【写真】義援金を集めようと鉢植えを販売する子どもたち
クラス担任の野口美登里教諭が、珠洲市で被災した子どもやお年寄りの支援に奔走する北沢晋太郎さん(34)=千曲市出身=の活動を1月12日付の信濃毎日新聞の記事で知った。長野高校で北沢さんと同級生だった長女を通じて、北沢さんに連絡を取った。
児童たちが支援活動に携わりたいと希望
北沢さんから聞いた被災地の現状について、野口教諭がクラスで説明すると、児童たちが支援活動に携わりたいと希望。児童が校内で育てていたサイネリアの鉢植えを1個500円で販売し、売り上げ全額と集めた寄付を、北沢さんが代表理事を務めるNPO法人「ガクソー」に義援金として贈ることを決めた。
8日は授業参観で訪れた保護者らを対象に鉢植えを販売。用意した60個は完売した。竹内陽大君(10)は「(被災して)自宅に住めなくなるのはとても悲しいと思う。集まったお金は学校や勉強のために使ってほしい」と話した。
ガクソーは、2次避難をしている小中学生や高校生を対象に、落ち着いた環境で勉強ができる拠点づくりや学習支援、保護者の相談に乗るなどしている。北沢さんは取材に「地震で勉強や趣味の道具を失った子どももいる。長野からの支援は本当にありがたい」と感謝。今後、通明小を訪れて報告する機会もつくりたいと考えている。
鉢植えの花は15日と20日にも午後1時25分から約20分間、校門付近で販売する。寄付も受け付ける。