石川遼はPOで敗れて国内メジャー3冠ならずも「63」の猛チャージ「今日は本当に良かった」次週・全米OPに弾み
◆男子プロゴルフツアー メジャー初戦 BMW日本ツアー選手権森ビル杯 最終日(9日、茨城・宍戸ヒルズCC西C=7430ヤード、パー71) 5打差16位から出た石川遼(カシオ)は正規の18ホールを1イーグル、8バーディー、2ボギーでこの日のベストスコアの63をマーク。通算13アンダーでトップに並んだが岩田寛(フリー)とのプレーオフ(PO)で1ホール目で敗れ、22年11月以来の優勝には届かず。国内メジャー3冠を逃した。 1番でボギー発進も、そこから見事な猛チャージを見せた。2番から3連続バーディーを奪うと、6番パー5で残り30ヤードのラフからチップインイーグル。この日は8041人の観衆が詰めかけ、帯同した多くのギャラリーから割れんばかりの大歓声が起きた。後半に入っても気迫のこもったプレーで10、12、13番でバーディーを奪取。右拳を強く握る場面も多く見受けられた。 16番パー3では傾斜を利用し、ピン奥1・5メートルにつけてバーディー。最終18番ではティーショットが左バンカーにつかまった。第2打を振り抜くと、ピン手前に落ちたボールはラインに乗りカップへ。縁をなめて、わずかに右を通り抜けるも5センチにピタリ。優勝したかのような大歓声に包まれ、2打差でホールアウトし、後続を待った。 上位にいた後続組の岩田、米沢蓮が難コースに苦しんでスコアを落とし、岩田との18番パー4でのPOに突入した。石川はティーショットを右ラフに打ち込むと、残り178ヤードの第2打でピッチングウェッジを握った。「(グリーン手前の)フロントエッジにキャリーさせるしかない」と短めの番手を選択するも、ボールはグリーン右手前のラフへ。アプローチも大きくショートし、パーパットを沈められず、敗戦が決まった。 この大会には過去10度出場し、最高は15位(2010年)と苦手としてきた。今大会開幕前には「大得意です」と笑い飛ばしていたが、ツアー屈指の苦手なコース。それでも「63」というビッグスコアをたたき出し、「今日は本当に良かったと思う。焦ることなくプレー出来ていましたし、プレーオフもかみ合っていればと、自分の気持ち的にも焦りはなかった」と収穫を得た。 次週は2年連続8度目の出場となるメジャー、全米オープン(13日開幕、ノースカロライナ州パインハースト・リゾート)を控える。弾みをつけて米国に向かうこととなり、「こういうコースでも優勝争いできることは、自分に対しても証明できたし、楽しみ。周りうんぬんというよりは、自分の基準をしっかりぶらさないゴルフをしたい」と大舞台へ向かった。
報知新聞社