各カテゴリーの全日本王者たちがUCIレースで貫禄の勝利!関西シクロクロス琵琶湖グランプリ
エリート女子:小林あか里、盤石の走りで今季4勝目
12時10分から行われたエリート女子には16名が出走した。スタート直後のホールショットを日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)が獲得したものの、全日本チャンピオンの小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がすぐに先頭に立ち、渡部春雅(明治大学)が続いた。しかし、小林は1周目の途中で早くもリードを広げ、独走態勢に入った。 小林を20秒程度の差で追ったのは、第3戦御殿場覇者の石田唯(TRKworks)と、今シーズンからユースカテゴリーを卒業し、ジュニアカテゴリーの選手としてエリートとの混走デビューを果たした石川七海(Champion System Japan TT 轍屋)の2名。そのさらに15秒後方を渡部と日吉が追う展開となった。しかし、このテクニカルなコースでは脚とテクニックが揃わないと集団を形成するのが難しく、2周目には追走勢もばらばらとなり、完全に個人勝負のレースへと変わった。 小林はその後も安定した走りを見せ、他を寄せ付けずに優勝。今シーズンの無敗記録を4に伸ばした。2位には石田が、3位には石川が入り、石川はエリートデビュー戦でポディウムを獲得する快挙を達成した。 レース後、小林は「このパワーコースとテクニカルコースが組み合わさったバランスの良いコースで優勝できてよかった。後方の状況が見えやすいコースで少し焦る部分もあったが、落ち着いて自分の走りができた。来月の全日本選手権でもまた優勝を目指して頑張りたい」と語った。 2位の石田は「スタートで失敗し追い上げたが、先頭からどんどん離されてしまった。全日本選手権に向けてさらに強くなりたい」とコメント。3位の石川は「初めてのエリートレースで多くの課題が見つかった。これから挑戦を続けて速くなれるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
エリート男子:織田聖、力強い走りで今季初勝利
13時35分から行われたエリート男子には70名が出走した。スタート直後のホールショットを制したのは、第2戦亘理の覇者で地元・滋賀県野洲市出身の沢田時(宇都宮ブリッツェン)。 先頭はすぐに7名のグループとなったが、テクニカルセクションでばらけ、全日本チャンピオンで昨年大会の覇者である織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、今季3勝の副島達海(大阪産業大学)、沢田、そして今シーズン初参戦の柚木伸元(日本大学)の4名が先頭グループを形成した。やや遅れて昨年大会2位のゴセ・ファンデルメール(Atari Maeda Racing with Bombtrack and Hunt、オランダ)が続いた。 2周目に入ると、織田がリードを広げ始め、ファンデルメールがセカンドグループに追いついて追走は4名のグループに。その後方では鈴木来人(OnebyESU-ICV)、小坂光(Utsunomiya Lux)、竹之内悠(/slash Cinelli – Vision)が追い続けた。一方で、追走グループから沢田が脱落し、3周目にはファンデルメールがブレーキトラブルでピットイン。追走は副島と柚木の若手2人に絞られた。その後ろの6位争いには加藤健悟(臼杵レーシング)が加わった。 4周目、柚木がペースダウン。これにより、ファンデルメールと沢田が柚木を抜き、柚木は4位に後退した。2位単独走行となった副島も織田とのタイム差を縮めることができず、織田が今シーズン初勝利を飾った。2位は副島、3位にはファンデルメールが入った。 レース後、優勝した織田は「ちょっとアタックしてみたら決まったので、そのまま苦しいなと思いながらも頑張った。初戦の土浦で2位だった悔しさがあった分、良い緊張感でスタートできたと思う」と振り返った。 2位の副島は「織田選手の序盤のアタックについていけなかったのがつらかった。肩の荷が下りたので次のレース、またしっかり気合いを入れて走りたい」と語った。 3位のファンデルメールは「レースはとても良い内容だった。副島選手や沢田選手と同じペースで走ったが、最後は追いつけなかった。次は東海シクロクロスのワイルドネイチャープラザ、その後は関西シクロクロスのマキノに出場する。ビザの日数と12月には大学の修士号のプレゼンテーションがあり一度帰国。1月に再び日本に戻り、2月末まで滞在する」と今後の予定も教えてくれた。 惜しくも4位に終わった沢田は「ポディウムを逃したのは残念だが、休養の効果で走りのキレが戻ってきた。想定通り、心肺は厳しかったが、レースの内容には満足している。ただ、4位という結果には悔しさが残る」とコメントした。