フランス総選挙、右翼の躍進警戒する金融市場 日本の投資家に影響も
フランスで30日から始まる国民議会(下院、定数577)の選挙で、第1党の座をうかがう右翼「国民連合(RN)」が掲げる経済政策に、金融市場が警戒を強めている。財政拡大や減税を公約にするRNが政権につけば、財政悪化への懸念から仏国債を売る動きが広がる恐れがある。日本の投資家も仏国債を多く保有しており、日本への影響も懸念されている。 【写真】パリで2024年6月24日、フランス国民議会の選挙に向けた右翼「国民連合(RN)」の記者会見に出席するマリーヌ・ルペン前党首(右)=AP 「政権を担う準備はできている」。RNのバルデラ党首は24日、記者会見でこう宣言して経済政策を発表した。電気やガス料金にかかる税金の引き下げやマクロン大統領が実施した年金改革の見直しなど、財政拡大を必要とする施策が中心で、ロシアのウクライナ侵攻後のインフレに苦しむ庶民に寄り添う姿勢を強調した。 9日に開票された欧州議会選でRNに歴史的大敗を喫したマクロン大統領が国民議会の解散を発表した直後、金融市場では仏国債の売りが強まり、国債利回りは一時3・6%台と約1年ぶりの高水準をつけた。財政が健全なドイツの国債利回りとの差は一時、ユーロ危機さなかの2012年以来の大きさまで広がった。
朝日新聞社