リンクステーション(青森市)28年東証上場目指す 東南アジア照準、事業拡大
チケット販売システム事業のリンクステーション(青森市、大嶋憲通社長)が、2028年に東証スタンダード市場への新規株式上場を目指していることが2日、分かった。東南アジア市場の開拓を成長戦略に掲げ、現地のイベント興行会社、芸能事務所などのM&A(買収・合併)を計画する。チケット販売事業からイベントの制作・企画に事業を拡大し、東南アジアでの展開を目指す。 大嶋社長が2日までの東奥日報の取材に、上場計画を明らかにした。同社は現在、上場申請に必要な会計監査を担う監査法人、上場をサポートする主幹事証券会社との手続きを進めている。 リンク社グループは、上場により調達した資金を活用し、東南アジアで大規模音楽イベントなどのコンテンツの発掘、輸出入を狙う。 グループは持ち株会社のリンクホールディングスの傘下に、リンクステーション、リンクパワー、ベトナムの現地法人など7社が入る。9月には、タイの大手プレイガイド「Zipevent(ジップイベント)」を新たに関連会社化した。 既に持っているタイの現地法人と今秋に傘下に置いたジップ社は、タイ国内でチケット販売システムを展開し、新たな関連サービスや技術開発も進める。併せて、マレーシアやインドネシア、フィリピンなど近隣諸国の市場調査・開拓の拠点とする。 大嶋社長は「上場時の企業価値向上に向けて、東南アジア市場を開拓する。海外展開、事業領域拡大に必要な資金を調達し、世界で通用するIT企業を目指す」と語った。 県内上場企業は現在4社。プロクレアホールディングス(青森市)が東証プライム市場、東北化学薬品(弘前市)、サンデー(八戸市)、オカムラ食品工業(青森市)の3社がスタンダード市場に上場している。 ◇ リンクステーション 2003年設立。05年にチケット販売システム「Gettii(ゲッティ)」の取り扱いを開始し、24年5月末現在で全国の270社以上、3300団体以上が利用している。イベント情報登録代行やチケット配送代行業務なども請け負う。23年10月期の売上高は65億2026万円、従業員数は204人。22年に持ち株会社を設立し、傘下のグループ企業はリンクステーションを含め現在7社。