はやぶさ2、クレーター探索と今後 JAXA会見(全文1)クレーターは1つではなかった
ホームポジションに戻り、表面を確認
その次のページをお願いします。その後、母船のほうが、「はやぶさ2」のほうがリュウグウの当初の位置、ホームポジションといわれる位置に戻ってきて、さらにそこから地形の変化を確認するために低い高度まで降りて、表面を確認しました。実はそういった運用をこのSCIの衝突運用を行う前にも行っていまして、その前後で比較することによってわれわれは比較的小さいクレーターだった場合にもそれを発見するということで予定されてたんですが、結果としてはホームポジションにいるときからほぼクレーターらしきものが見えるというぐらい、比較的大きなものができていたということで。ですから、この運用ではそれをさらに確認し、さらに詳細なところを見るということで、いろんな情報が出たというものです。 これ左と右を見比べてみますと、幾つか対応する岩、岩塊、ボルダーが見られると思いますが、幾つかその位置が変わったり、配置がずれたり、真ん中の辺りに何か掘れたような部分が見れるのが分かりますが、これがクレーター状の地形だとわれわれは考えていて、この部分に衝突し、そのことによって表面が掘削されて、物が周囲にまき散らされた結果として穴が開いたと。その結果として幾つかの岩が動いているということがこの図から分かると考えています。 その次のページをお願いします。これはブリンク画像で今の2枚をぴったりと重ねて前後で【比べ 00:12:20】ますと非常によく分かると思いますが、中央のやや右とやや左側にくっついてあった岩が、その後、左側の岩が大きく左に動いて離れているのが分かりますね。 ちょうど桃が割れて桃太郎が生まれるような感じなんですが、その動きのほうが、右側のほうがあまり動いていなくて、わずかにちょっと右に動いていて、左のほうは大きく左に動いてることから、この2つの境目の少し上側の辺りに衝突したんだろう。その結果として地面が掘り返されて、それによって岩が大きく移動し、向きも変わったんだろうと、そういうふうに考えます。 事前の画像ではこの2つの岩はかなり砂に埋もれて見えない状態だったのが掘り返されて、はっきりと岩が目立つような状況になって、影も深く落ちているということが分かります。 さらに図を見てもらうと、幾つかの岩が当初もともとあった場所から消えていると。よく見るとそうじゃないところに、今度はなかったところに。これは岩が飛んでることを表していまして、こういった岩の動きを見ることからも、衝突が起こってそこから幾つかのものが飛び出して放出されてるということが確認できます。といったわけで、これは確実にSCIがつくったクレーターだろうとわれわれは結論づけました。