『ウマ娘』新育成シナリオ“走れ!メカウマ娘 -夢繋ぐ発明-”先行プレイリポート。車いすのウマ娘がメカウマ娘に託した“夢”を追うみずみずしい物語に注目
実在する競争馬の名前と魂を受け継ぐ“ウマ娘”たちが仲間やトレーナーたちと学園生活を送りながらもレースに挑むゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、『ウマ娘』)。育成可能なウマ娘もついに100人を突破するなど、魂を熱くしてくれる数多くのドラマが詰まったコンテンツとなっています。 【記事の画像(25枚)を見る】 そんな『ウマ娘』の新育成シナリオ“走れ!メカウマ娘 -夢繋ぐ発明-”(以下、“メカウマ娘編”)が2024年10月29日より登場。本記事では、メディア向けに開催された先行体験会をもとに本シナリオの先行プレイをお届けいたします。 ※なお、先行体験会はゲームバランス調整中の開催とのことで、本記事と実装時の内容が異なることがございます。あらかじめご了承ください。 友人やグループタイプサポートカードがない!? シナリオリンクには5人のウマ娘が対応 筆者はこれまでも『ウマ娘』の新育成シナリオ体験会のリポートを担当してきましたが、じつは毎回悩むのが先行体験会でどのウマ娘を育成しようかということ。筆者が育てたいウマ娘としてまず顔が思い浮かぶのはナリタタイシンなのですが(菊花賞直前のイベントによる絶不調の影響も調べたくなりますし、素直ではないけれども信頼感がにじんでいるトレーナーとの関係性は常時摂取したいですし……)、先行体験会に参加するメディアの記者には同志(ナリタタイシン推し)が多いそうで、せっかくならばほかのウマ娘の雄姿をお届けしたいなと思ったわけです。 そこで今回選ばせていただいたのは、ミホノブルボン。育成シナリオのカギとなるのがメカウマ娘ということで、育てるならやはりサイボーグの異名を持つ彼女がふさわしいのではないかと! 無表情なだけで喜怒哀楽の感情は豊かなミホノブルボンですが、サクラバクシンオーに電池の差し入れをされたり、“[MB-19890425]ミホノブルボン”の固有スキル“G00 1st.F∞;”が往年のロボットアニメを彷彿とさせる演出だったり、メカウマ娘というパワーワードに真っ向から対抗できるポテンシャルがあるのは間違いありません。 ちなみに彼女は、現在テレビ東京系列6局ネットで再放送中のアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』でも活躍しています。とりわけライスシャワーとの濃密なドラマは必見。もし、まだ視聴されていない方がいたら、ぜひそのドラマを見届けていただきたいです。あの、本当にすごくてすごいので……。 そんな魅力たっぷりのミホノブルボンですが、残念ながら今回のシナリオリンクには対応していません。触れる機械をことごとく故障させる体質なのでムリもないかと諦めつつ、やっぱりちょっぴり残念な感じもしますよね。 そして、今回のシナリオリンクに対応しているのは、以下の5キャラクター。 ・ビワハヤヒデ ・ナリタタイシン ・エアシャカール ・シンボリクリスエス ・タニノギムレット ナリタタイシンがいますね……。そう、いるんですよ……。この点はのちほどしっかり触れたいと思いますが、もうひとつ注目してほしいのがシナリオリンクの対象に友人カードのキャラクターが入っていないこと。――そう、“メカウマ娘編”には友人カードやグループタイプの新サポートカードが登場しません。 そのぶん、“メカウマ娘編”ではシナリオリンクに対応するウマ娘を有効活用することがポイントになりそうです。とりわけ、エアシャカールのシナリオリンクには、“サポートカードを編成しているだけでさらにトレーニング効果がプラスされる”という効果があるため、新たに登場するサポートカード“SSR[Cocoon]エアシャカール”が注目を集めそうだなと筆者は感じました。 メカウマ娘を完成させるためにウマ娘たちが奔走 “メカウマ娘編”で新たに登場するキャラクターが、工学博士のシュガーライツ(声:石川由依)と彼女が作ったロボットST-2/サティ(声:石川由依)です。 シュガーライツ(声:石川由依) ST-2/サティ(声:石川由依) ライツ博士はトレセン学園の卒業生ですが、レースでは結果を残すことができず、現在は車いすで生活をしています。レースを引退したウマ娘のセカンドキャリアについて描かれる機会はこれまでもありましたが、車いすで生活するウマ娘の姿は筆者にとってはかなり衝撃的でした……。 「もう一度走りたい」という願いを込めて、ライツ博士が作り上げたのが、意識を直結して操作するフルダイブ型のロボットST-2。しかし、シナリオ冒頭では未完成ということもあり、テストでコースを走ったときもトレセン学園の生徒たちから「遅っ!」とツッコミを入れられてしまいます。完成させるためにはテストモデルとなるウマ娘の協力が不可欠なのですが、多くの生徒たちはその走りを見て興味を失うことに……。それでも必死に協力を呼びかけるライツ博士の姿を見て、5人のウマ娘とトレーナーが集まりました。 疲れ知らずの併走パートナーが生まれるのはいいことだと理論的に考えるエアシャカールやビワハヤヒデに、博士の信念に共感を表明するシンボリクリスエスやタニノギムレット、そして時間があったときに手伝うくらいなら~とそっけなくも積極的に協力を表明するナリタタイシン。――なるほど、たしかにメカウマ娘の開発に率先して協力しそうな顔ぶれです。「えっ、あのナリタタイシンが?」と意外に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、じつは彼女はまわりを気にかけるやさしさに溢れるウマ娘(ときおり湿度の高さも感じますが)。筆者個人的には、アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』で(おそらくビワハヤヒデやウイニングチケットに付き合う形で)苦手であろうバナナの大食い競争に参加している姿も強く印象に残っています。 “メカウマ娘編”の細かいネタバレは避けますが、各ウマ娘がライツ博士への協力を申し出た経緯や心境もしっかり描かれていますし、“夢”の尊さを肌で感じられるようなみずみずしいストーリーなので、シナリオリンクに対応する各ウマ娘のトレーナーや、ライツ博士にビビッと来たトレーナーはぜひとも注目してみては。筆者はいま、この原稿を描きながらナリタタイシンの登場シーンを再度噛みしめつつ、彼女の言葉を反すうしています。 そして、うまくウマ娘&メカウマ娘の育成に成功すると、最後に待っているのは新曲『O - ロライズ』のステージ。透明感のある美しいサイバートランスが心を癒してくれます。メカウマ娘というワードそのままの機械的でクールなニュアンスもありつつ、シナリオで描かれている温かさがしっかりとにじんでいるのもポイントかなと……。ST-2とウマ娘がシンクロしながら踊る姿も見られるのですが、これがまたしっとりと味わい深くて。残念ながらシナリオリンクに対応していなかったミホノブルボンもこの楽曲を歌って踊る姿は楽曲にリンクするパーフェクトな美しさなので、ぜひとも重要なデータとして皆さんのメモリにも焼きつけていただきたいです。少なくとも筆者は、このステージを観た瞬間に「やっぱりミホノブルボンを選んでよかった……!」と心から感じました。 基礎能力上限はスタミナに注目! さて、ここからは育成システムについても紹介しています。まず、同シナリオにおける基礎能力上限の変化は以下のとおり。 ・スピード 1750(+550) ・スタミナ 1700(+500) ・パワー 1500(+300) ・根性 1300(+100) ・賢さ 1300(+100) 全体的に高水準で、とりわけスピードとスタミナの上限の高さは目を見張るものがあります。10月29日には長距離レースの“スタミナ勝負”にもバランス調整が入りますし、中距離~長距離が適性のウマ娘を育成する際にはもってこいのシナリオと言えるでしょう。もちろん、短距離やマイルが適性のウマ娘であってもとくにデメリットなく育成できるので、間口の広さも魅力かなと。 “メカウマ娘編”はトゥインクル・シリーズの開催も並行して行われているため、育成目標のレースが個別に存在し、結果次第では途中で育成が終了してしまうこともあります。シニア級の後にURAファイナルズに突入するのも同様の流れですね。 プレイ時間はしっかりシナリオを読み込んで1時間程度。慣れてきたトレーナーであれば、30分くらいで育成終了までたどり着けるのではないかと思います。なお、シナリオによる進化スキルは体験会では触ることができませんでしたが、実装予定とのことですので注目したいところです。 トレーニングの新たな要素 ここからは育成の新たな要素を紹介します。まずは研究Lv。5つのパラメータにそれぞれ研究Lvが用意されており、この数値が高いほど対応するトレーニングの効果が上昇するのが特徴です。レースへの出走や、特定のトレーニングを多く実行することで個別に蓄積されていく練度のようなものだと思うとしっくり来るかもしれません。なお、研究Lvの上限は育成を進めることで少しずつ解放されていくので、初めからひとつのトレーニングを集中して行うとすぐに上限に達してしまい、あまり効率がよくなさそうです。 トレーニングに確率で配置されるのがメカギア(トレーニングについている歯車のマーク)。このメカギアが発生しているトレーニングは獲得できるパラメータ量と研究Lv量が増加しているので、強いウマ娘を育成するためにはこれを利用するのがイチバンです。友情トレーニングには確定でメカギア配置されるので、基本的には友情トレーニングを狙う感覚でいればそのままメカギアの恩恵を受けられるので難しく考える必要もなさそうだなと。“収穫ッ!満腹ッ!大豊食祭”(以下、“豊食祭編”)では、ジュニア級から友情トレーニングをガンガン発生させることで野菜Lvの底上げを狙うのがひとつの定石となっていたかと思いますが、 “メカ娘編”に関しても筆者は近い感覚で遊ぶことができました。 育成をブーストするオーバードライブ トレーニング実行時に副次的な効果を付加できるのが“オーバードライブ”。 トレーニングの効果を任意のタイミングで底上げできるという点では豊食祭編の料理と近いのですが、最大の特徴はメカ娘ST-2のチューニングによって発動時の効果を自由にカスタマイズできること。具体的には、メカENを“頭部コア”、“胸部コア”、“脚部コア”の全9種類のチップに割り振ることでオーバードライブの効果が追加される仕組みになっており、この内容がじつに多彩なんですよ! とはいえ、最初からすべての恩恵を受けられるというわけではなく、半年ごとにメカウマ娘の完成度を評価する試験 “UGE(Upgrade Exam)”に成功すると解放されるチップもあります。チップにメカENを投入することで新たな効果を得られるというのが基本的な仕組み。最初はパラメータとスキルヒントに紐づいた効果しか発動できませんが、育成を進めて投入するメカENを増やすことでオーバードライブの追加効果を得られるようになり、その追加効果には体力ややる気を回復できるようになったり、編成サポートカードから追加でメンバーをトレーニングに呼び出したり、選択したトレーニングのヒントイベントで獲得できるヒントをすべて獲得したり……と強力な効果も含まれているので、かなり効果的に育成が進められるようになります。 強力な効果を得るためには対応するチップにメカENをたくさん割り振る必要があります。メカENの獲得数が限られているため、どのチップに優先的に割り振るかは悩みどころですが、UGEのタイミングで振り直しができるので、特定の能力を上げやすいチップに優先的に割り振れば、局所的にトレーニングの効率を高めることも! かなりのポテンシャルを秘めたオーバードライブですが、もちろん無制限に発動できるわけではありません。研究Lvの下部に表示されているオーバードライブゲージが3つ貯まることで、ようやくつぎのトレーニング以降で発動できるようになります。オーバードライブゲージは、メカギアが配置されたトレーニングを実行することで貯められるほか、目標レース出走後やお休みやお出かけ、保健室の後にも増加。 オーバードライブは任意に発動可能で、最大2回までストックできます。友情トレーニングを3回発生させるごとに1回ストックが貯まると考えれば、かなり高い頻度で発動できますが、ストックが最大2回というのも絶妙な制限。「ストックが2回貯まったけど、よさそうなトレーニングが見当たらない状況で使ってしまっていいのかなぁ……」とか「魅力的な友情トレーニングがあるけれど、この先に育成のターニングポイントがあって悩ましい……」みたいな感じで葛藤する場面も増えそうです。 なお、特定の条件を満たすとURAファイナルズではつねにオーバードライブが発動する状態となります。育成の仕上げにおいてもオーバードライブが欠かせない要素になるのは間違いないでしょう。 研究Lvを上昇させてUGEの高評価を目指せ! 本シナリオの基本的な目標となるのが、半年に1回のペースで開催されるUGEをすばらしい結果でクリアーすること。こちらは研究値Lvの合計値によってB評価、A評価、S評価の3段階で評価が下され、評価が高ければ高いほど、獲得できるパラメータやスキルPtも上昇。育成画面に“確かな手ごたえ”と表示されるのがS評価の目安になるので、これを参考に育成を進めることに。 UGEの後は研究Lvの上限が解放されるほか、チューニングに使用するためのメカENも獲得できます。もらえるメカENの数はUGEの評価によってわずかに増減します。じつはメカENはデビュー戦まで残り9ターンのタイミングでST-2からもらった後は、UGE後にしか獲得できない希少品。メカENがいっぱいあれば、それだけオーバードライブの恩恵を受けられるので、わずかな差とはいえ見逃せません。 メカENを増やす手段はもうひとつあって、それがシナリオリンクです。ビワハヤヒデとエアシャカールのシナリオリンクにはメカENの初回獲得量がアップする効果があるので、少しでもメカENの数を増やしたいという方は編成にも着目してみてください。もちろん、ほかのシナリオリンクも便利な効果が揃っているので、育成を始める前に一度目を通しておくことをオススメします! 考えることが多いだけに、ポテンシャルの高いウマ娘を育成することができそうな“メカウマ娘編”。正直、筆者も先行体験会ではどう育成していいのか全体像がつかめないというくらい、育成の可能性が縦横に伸びているように感じました。 シナリオリンクに対応する友人カードやグループカードがないため、体力ややる気を回復するのにも苦心しましたし、どう対応するのが正解なのか考えるのも楽しそうだなと……。もしかすると、慣れないうちは体力を回復するために友人カードを編成するというのも有効な手かもしれません(SSR[共に描くキラメキ]都留岐涼花を編成してみたところ、安定感がありました)。 皆さんもぜひ、メカウマ娘のチューニングやシナリオリンクキャラクターの編成に頭を悩ませつつ、理想のウマ娘の育成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。